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2013年5月22日水曜日

ガブッ!とわかる世界一やさしい行動経済学の教室

行動経済学の初歩テキスト







本書自体は、行動経済学の考え方や理論の紹介そのものに終始しています。
素っ気ないといえば、それまでですが、本書を読んでおけば、次の本が
ぐっと読みやすくなります。



ダン・アリエリー
予想どおりに不合理 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」 増補版
早川書房






ロバート・B・チャルディーニ
影響力の武器[第二版]―なぜ、人は動かされるのか
誠信書房






これらは、大学の経済学部の方だけでなく、社会学や心理学を専攻している方にも、
おススメできる本です。




分量の多い本を読む前に





両書ともにアマゾンのレビューでなかなかの評価を得ています。
しかし何せ分量が多い。先にガブッ!とわかる世界一やさしい行動経済学の教室の方で、
「予習」をしておけば、読む時間の短縮が図れるでしょう。




読み切れないほどドラマチックな内容は、良かったのですが、
その分、個々の理論や考え方を把握するのに時間がかかります。
つまり、つまり最もおススメな読み方は、補完的に読むことです。





人体実験 / yuichirock




キホンは主流派経済学





行動経済学と聞くと、なんだかこれまでの経済学(主流派経済学)を飛び越えて、
全く独自理論のように聞こえるかもしれません。しかし、行動経済学は、
「経済学」と名がついているように、主流派経済学から派生した分野です。


"ただし、あくまで行動経済学は従来の経済学の一分野です。経済学の標準的なモデルをベースにして、現実の経済活動や人間行動を補完的に説明しようとする試みです。ですから、経済学の基本的な知識も押さえておく必要があります"


(P36 第1章なぜあなたは宝くじを買ってしまうのか?)



そういや行動経済学については、最近の標準的なミクロ経済学のテキストでも、
最後の方に言及していたなぁ。




【関連エントリ】


影響力の武器第二版 なぜ、人は動かされるのか



【参考文献】


山岡道男 淺野忠克 ガブッ!とわかる世界一やさしいミクロ経済学の教室 アスペクト







2013年3月19日火曜日

影響力の武器第二版 なぜ、人は動かされるのか

マジで人のココロを操る方法



影響力の武器第二版 なぜ、人は動かされるのか



心理学と聞くと、それを使えば「人のココロを操ることができるかも?」
という安直な思いに駆られます。(もちろん個人的に)



昔、そういうことを期待して、心理学関係の本を何冊か手に取ってみましたが、
ことごとく沈没、そして挫折しました。それ以来、心理学関係の本は読まないだろうと
思ってました。しかし何の因果か、社会心理学に関する本が、手元に…。





マルチ

鎖 / heniha





事例が豊富!たとえば「心理攻撃」





あ~あ「フロイト」やら「ユング」やら、イマイチ定義のわからん用語の羅列かなぁと思って、
あまり期待せずページをめくってみたら、結構面白いではないか!!!



読んでいると、「心理学やったらマジで人のココロを操れるじゃね?」という感じに
なりそうなぐらい、事例が面白いです。
(もちろん操ろうと思えば、大規模な仕掛けが必要となると思うが)



「オモロイ!!!」と思った事例の一つが、中国の「寛容政策」です。朝鮮戦争中に、
中国人民義勇軍が、アメリカ兵の捕虜収容所において、行った「心理攻撃」の一種です。




マルチ商法・ねずみ講の手法





当時、中国は、捕虜にしたアメリカ兵自らの口から、共産主義の素晴らしさを語らせることを
考えていたようです。そのため、収容所でアメリカ兵に対して、どのような処遇がとられたか?
もちろん拷問するなど肉体的苦痛を与えるという、泥臭いことはしません。



1.非常に穏やかな反アメリカ的な発言をさせる
(「アメリカ合衆国は完全ではない」とか)
↓
2.アメリカはどう完全でないのか自分で説明させる
↓
3.完全でない点のリストを作らせ、捕虜仲間の前で読ませる
↓
4.中国側は反米ラジオ放送でリストを作成した捕虜の名前を読みあげる
↓
5.捕虜は自分が敵への「協力者」であるとし自己イメージを作り変える
↓
6.やがて捕虜は自ら共産主義の良い点を語りだす



つまり、ポイントは2点です。


  • 意思決定に参加させる
  • 小さいことから始めてそこから築き上げる


これってポンジスキームとか悪徳商法で使われる手口と同じちゃうん?
ミクロ経済学でも、プロセスの経済学という分野で同じことが、説明されています。



何かの意思決定に自分が参加していると、結果が不合理なものでも、
受け入れてしまうということを。



【関連エントリ】


ガブッ!とわかる世界一やさしい行動経済学の教室
なぜ選ぶたびに後悔するのか オプション過剰時代の賢い選択術
幸福度をはかる経済学



【参考文献】


青木雄二 ナニワ金融道(8) (講談社漫画文庫)ナニワ金融道(8) (講談社漫画文庫)


ナニワ金融道(8) (講談社漫画文庫)



2012年12月21日金曜日

新装版 なぜ選ぶたびに後悔するのか オプション過剰時代の賢い選択術

その問題、社会学か、心理学か、経済学か?


なぜ選ぶたびに後悔するのか オプション過剰時代の賢い選択術



管理人は、「おちゃれけミクロ経済学」の運営をしているせいか、
たまに読者の方から、「経済学部を卒業したのですか?」と聞かれます。



ですが、実際に卒業したのは、「社会学部」です。
経済学については、30をとうに超えてから、独学で始めました。



本書は、心理学、経済学、市場リサーチなどの研究成果に基づいた
社会心理学の古典的名著です。



そんな「経済学マニア現在進行中」の管理人が、本書を読んでの結論は、
「要するに、プロセスの経済学について述べたいのか!」、ということです



管理人は、「なんちゃって社会学士」のせいか、残念ながら、
心理学や社会学の説明部分は、目に入りづらかったです
(大学関係者のみなさますいません)。





学位授与式

09041401 / INXIAN


行動経済学とプロセスの経済学




プロセスの経済学とは、集団行動などの意思決定の過程において、
自分がその決定に参加することによって、たとえ集団が出した結論が、
どんなに「不合理」であっても満足する
、ということを研究する、ミクロ経済学の一分野です。



昔からの経済学的な人間は、「合理的な人間」であることが、想定され、
「不合理な行動」なんて、取るはずがないというのが、定説でした。
しかし、人間は、必ずしも経済学的に「合理的な行動」をする訳ではありません。



そのため、近年では、「行動経済学」をはじめとして、従来の経済学観によって、
説明し得ない分野が、発達してきています。その発達した分野の一つが、
本書で取り上げられた「プロセスの経済学」です。



ちなみに、本書では、プロセスの経済学について、
はっきり述べているわけではありません。「第11章 選択にどう向き合うか」の小見出しである、
「選ぶときを選ぶ」(P261)辺りを読んでいると、そんな風に感じました。


"こうした決断を下す過程で、どんな手順を踏み、いくら時間を費やし、どう調査し、どういった心労を抱えたかを書き出す"


なんだか社会心理学からは、どんどん離れていく記事になってしまいました(笑)
「行動経済学」やプロセスの経済学、「幸福の経済学」などの
テーマに関心がある方は、【関連エントリ】や【参考文献】までどうぞ!




【関連エントリ】


影響力の武器第二版 なぜ、人は動かされるのか
幸福度をはかる経済学



【参考文献】

ブルーノ・S・フライ 幸福度をはかる経済学幸福度をはかる経済学 NTT出版