「江戸時代とおカネ」のお題で小話が満載
江戸時代のおカネは、今とは違います。
そもそも「身分によって通用する貨幣の種類」が違います。
- 現在→すべての人が紙幣、硬貨
- 江戸時代→武士(金貨)、大店の商人(銀貨)、庶民(銭貨)
そして「数え方」も違います。
- 現在→すべて十進法
- 江戸時代→四進法(一両以下の金貨・銀貨)、十進法(一両以上の金貨、銭貨)
さらに「計り方」も違います。
- 現在→すべて計数貨幣
- 江戸時代→計数貨幣(金貨、銀貨、銭貨)、秤量貨幣(銀貨)
Bye ... / wallygrom
おカネを使ったらしょっぴかれる!?
というわけで、江戸時代ではおカネって、結構複雑です。
「ただ持っていればいい」とか、「誰でも使ってもいい」というわけでなかったらしい。
裏店に住む「はっつぁん、熊公」が、何の前触れもなく、小判を使うと、
零細商人→一般商人→両替商→奉行所
というルートで足がついて、たちまちしょっぴかれることもあったとか。
そうかといって、普段使いの銭貨にかえると、かなりの手数料が差し引かれたよう。
そういうわけで、庶民が「ねずみ小僧」などの義賊に、大商人から盗んだ小判を
ばらまいてもらっても、実は大して嬉しくなかった理由などを、当時の社会の仕組みから、
説明されていて大変面白かったです。
まだまだあるぞ!「江戸時代とおカネ」について
他にも、貨幣そのものことだけでなく、貨幣を通じた江戸幕府の経済支配体制、
高度に発達した江戸期の市場経済、庶民や武士の暮らしぶりなども、書かれています
日本史に興味がある人はもちろんのこと、「おカネ」とか「生活と暮らし」に
興味がある人が読んでも、おもしろいんじゃないでしょうか?
下にあげた参考文献と合わせて読むと、一層、本書が引き立てられるでしょう。
【参考文献】
江戸の卵は1個400円! モノの値段で知る江戸の暮らし (光文社新書)
歴史が教えるマネーの理論
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