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2013年6月26日水曜日

世界はひとつの教室 「学び×テクノロジー」が起こすイノベーション

「学校教育」とお仕事の関係について








こういうプレゼンテーションがあります↓



スガタ・ミトラ「クラウド上に学校を」





こちらのスガタ・ミトラさんは、自己学習システム「SOLE」による
教育革命を唱えていらっしゃいます。



サルマン・カーン「ビデオによる教育の再発明」






そしてこちらは、本書の著者のサルマン・カーンさん。カーン・アカデミーの創設者です。
プレゼンをしているところが、同じTEDなので、すごく似ているような気がします。




「何のために学校教育が登場したのか?」





中でも、酷似しているのが、最初の着眼点。2つのTEDの動画を見ているだけでは、
すぐには、分かりません。ミトラさんのプレゼンとカーンさんの本を読むと、
ピッタリ符合しているところがあります。



酷似しているといっても、おふた方がアイデアをパクリ合っているという意味ではありません。
人数としては、たった2人の人しか言ってないようなことですが、
世間の人がうすうすと思っているようなことを、代弁しているように感じます。






School children / Museum of Hartlepool






問題は大勢の人間が「食える」かどうか






そもそも、義務教育の象徴でもある、「学校教育」は、
いつごろ、どこで、何のために発生したのでしょうか?
おふたかたは、かつて近代ヨーロッパに存在した2つの国に起源を求めています。




  • スガタ・ミトラさん→大英帝国方式


"学校は官僚行政マシンの歯車になるような人間を生産してきました。全員まったく同型の歯車にならなければなりません。(中略)全員同型ですから、例えばニュージーランドから1人を選んでカナダへ送っても、すぐに適応することができます。"

(1:50ごろ)




  • サルマン・カーンさん→プロイセンモデル


"ねらいは、自分の頭で考えられる人間を育てることではなく、忠実で従順な市民を次々と生み出すことにありました。両親や教師、教会、そして王の権威に従うことがいかに大切かを知りなさいと。"

"生徒たちに所定のカリキュラム以上のことを考えさせたり、異端の危険思想を話し合う時間を持たせたりしては断じてならない。チャイムが鳴ったら有無を言わさず会話や思考を中断させ、予定された次の回へ進ませる。秩序が好奇心にまさり、規律が個人の主体性に優先する - というわけです。"

(P82~83 プロイセン・モデル)


言い換えれば、おふた方とも、「学校教育」は「大量生産の機械部品をつくるところ」
と言いたいわけですな。もちろん「大量生産の機械部品」が、良いかどうかの
価値観を論じるつもりはありません。社会には、それが必要な部門があるでしょうし。



ただ気にになるのは、それで大勢の人間が「食っていけるか?」ということ。
ミトラさんは、それについて、このようにおっしゃってます。


"我々が知る「学校」というのものは時代遅れなのです。学校は「崩壊」したわけではありません。よく「学校崩壊」というのがよく言われていますが、崩壊はしていません。造りはちゃんとしています。ただもう古くて使い物にならないのです"

(3:09ごろ)


「学校教育」とこれからの仕事をつなげてみれば、非常に興味深いテーマです。



【関連エントリ】


世界はひとつの教室 「学び×テクノロジー」が起こすイノベーション(予告編)



【参考文献】


リンダ・グラッドン
ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉 プレジデント社


ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉




2013年6月25日火曜日

世界はひとつの教室 「学び×テクノロジー」が起こすイノベーション(予告編)

カーン・アカデミーの創業者~サルマン・カーン氏





実はまだ読んでません(苦笑)。
ちゃっかり、アマゾンのアフィリエイト広告を、はりつけちゃってます。
先日、地元の図書館で、新刊本予約していたのが入荷されて、
これから受け取りに行くところです(だからブログの見出しは『予告編』)。



この本の著者は、サルマン・カーンさん。
教育業界の関係者ではすでに、かなりの有名人なのかもしれません。





「学校で宿題を家で授業」という教育革命






何をしている人かと言えば、コレ↓を作った人。



カーン・アカデミー





カーンアカデミー、算数、基本のかけ算







全て基本は英語ですが、最近、日本語に翻訳されているサイトも立ち上がってますね。
Youtubeで「カーン・アカデミー」と検索をすると、いくつか授業が出てきます。
(ちょっと、カタイ日本語が気になるが…。)



このカーン・アカデミーは、今
「学校で授業を家で宿題」という常識を
「学校で宿題を家で授業」という常識に、変えようとしています。




TEDでのプレゼンもどうぞ!





「Youtubeで教育革命?何でそんなことができるんだ?」と感じた、あなた。
何でかは、このTEDで行われた、カーンさんのプレゼンテーションを視聴してみてください。
カーン・アカデミーの創業の経緯なども語られています。








本書の読書感想文を書く前から、「ネタバレ」するようなプレゼンだと思いますが、
かなりおもしろい内容ですよ。



あ。でも本の方もちゃんと読んで、感想書きます(笑)



【関連エントリ】


世界はひとつの教室  「学び×テクノロジー」が起こすイノベーション







2013年6月22日土曜日

図解&場面でわかるプロ教師の「超絶」授業テクニック

ドットインストールの通信添削と比べてみた!






最近、ドットインストールが熱い!
ITメディアを見ていると特に探すまでもなく、ちらほらと情報が流れてきます。






そのドットインストールに有料の通信添削コースがあります。先日、個人的にその中の、
初級JavaScript はじめての実践プログラミングを受講してみました。



そのあとに本書を読んだので、指導に対する考え方が、「かぶっているな~」と感じることが、
ありました。もっとも、有料コースなので、通信添削の画像を張り付けるのも、
どうかと思います。本書のテクニックを引き合いに出しながら、通信添削
受講した感想を述べていきたいと思います。








指導のコツは同じ!リアルの授業とWebの通信添削




"「分かる」というのは、新しい情報を既知の情報と照らし合わせて、自分の頭の中の棚に入れることです。"

(P115)


通信添削サービスは、新しい情報(指導サービス)を取り入れて、
最終的に自分(サービスの受け手)が「分かった!できる!」という状態になることを目指します。



そのためには、まず既知の情報が十分にある必要がありますが、
JavaScriptだけでも2レッスン51回の動画が用意されています。



"一度に複数の情報を与えると整理しづらい。→確認しながら進む。"
(P117)


課題には、プログラミングを行う上で重要なポイントが、いくつも込められています。
そのポイントは初学者にとって、何種類もの問題が重なり合うように見えて、
とても複雑に感じます。



お金を支払って教えてもらっている気楽さから、「これ、どーするんですか?」と
大ざっぱな質問を出しても、ヒントはひとつしか教えてもらえません。



添削をする側からしてみれば、一度にまとめてヒントを出した方が、手間がかからず
ラクそうなものでですが、ドットインストールの先生は手を抜いてくれません(苦笑)。



”解法の為の着眼点と手順を簡潔に提示する。(メタ解法)"
(P116)


これは、ドットインストール独自のサービスというより、プログラミングの学習をするときに
全般的に見られるコツのような気がします。
プログラマの考え方がおもしろいほど身につく本 問題解決能力を鍛えよう! でも、
最初のうちは、問題点を小さく切り分けて、自然言語による解法を自ら書くように勧めています。



いわゆる「スモールステップ」というやつですね。通信添削の各課題には数多くのヒントが、
備え付けられています(といっても答えが即出るようなものではなかったが)




「教育サービスを…」という人に





本書は、まだ義務教育を終えていない小・中学生を想定して書かれています。
従って大人でも受講できて、かつ教える内容を限定したドットインストールのサービスと、
一律に比較することはできません。



しかし、教科指導の考え方については、重なっている部分があるので、
これから教育サービスをはじめようとか、お金を支払って教育サービスを受けてみよう
という大人の人が、読んでもおもしろいんじゃないでしょうか?



【参考文献】


V.Anton Sppraul
プログラマの考え方がおもしろいほど身につく本 問題解決能力を鍛えよう! 
ASCII








2013年6月9日日曜日

ネット上に学びの場を創る 情報共有が市民社会にもたらすもの

教育系ベンチャーの先駆け・e-教室について







ほんとうにいいの?デジタル教科書と同じく、岩波ブックトレットからの出版で、
しかも著者は同じく、一橋大学の新井紀子先生。本書の目次は、次のとおりです。


  1. 情報共有のすすめ
  2. 情報共有サイトで何ができるか
  3. 情報共有サイトをデザインする
  4. 「e-教室」と「WILL」-ケーススタディ
  5. 持続的な運営のために
  6. 「教育の機会」の現在


この本が出版されたのは、2003年です。10年前ならば「情報共有とは?」と言われても、
一般の人が、気軽に使えるものは、あまりなかったのではないでしょうか?





Working & learnig together / xdxd_vs_xdxd






「タダ」に近くなってきた情報共有のお値段






2013年の現在、情報共有のためのツールと言われると、
いくつか例を挙げることができます。





特に考えることなく、思いつきのまま書いても、4つも出てきました。
ちゃんと調べれば、もっと出てくるはず(多分)。



これだけ雨後の筍のごとく、ニョキニョキとグループウェアが誕生するのは、
記憶装置の容量の価格が、飛躍的に下がっているのも一因でしょう。




オンラインが当たり前の「通信添削」





それでは、こんな「大昔」の本には、読む価値はないのでは?
いいえ、そんなことはありません!通信技術としての「学びの場」に注目するのではなく、
教育技術としての「学びの場」に注目してください。






これらは、教育系のベンチャー企業の中でも、先生が生徒に対して、
課題を与えて、二人三脚で学習を深めていく「通信添削」のサービスに特徴があります。



ドットインストールLarnistも、「e-教室」(ちょっとネーミングは古いが…)の
「子孫」のような存在です。Web上で通信添削サービスをするのって、
ずいぶん前からあったんですね…。



今、管理人は、Web上で通信添削サービスを企画しています。ネタはミクロ経済学で。



【関連エントリ】


ほんとうにいいの?デジタル教科書






2013年6月7日金曜日

独学という道もある

学習方法を見つけること自体が独学






本書の内容は、主に2つに分けることができます。


  • 慶應義塾大学・通信教育課程に進学した体験に基づく独学の方法について
  • 海外に在住した経験にもとづく多様な社会の在り方について


実は、著者の柳川範之さんは、先日当ブログでも書いた、
日本成長戦略40歳定年制 経済と雇用の心配がなくなる日 で、
40歳定年制を唱えている方です。



40歳定年制は、それ自体十分にスジの通ったものだと思います。
その原体験は、子どものころに目の当たりにしたブラジルでの、絶望的な格差や、
大学院に留学したプリンストン大学での経験にあることが、よくわかりました。






Feb 16/12 P is for pencil, pages and post-it notes / Jude Doyland




「ドツボ」にはまらないようにするためには…?






ただ、どちらかというと管理人が、注意して読んだのは、前者の独学の方法についてです。
ポイントをあげるとすると、次のような感じでしょうか。



  • ノートづくりのためのノートはつくらない
  • マーカーは引かない(引きすぎると後でどれが重要なとなのかわからなくなる)
  • 問題集はの問題は分からなかったら、すぐ答えを見る
  • テキストは2回読む
  • 同じようなことが書いている別のテキストも読む




独学というのは、誰もアドバイスしてくれる人がいません。
従ってどこが重要項目かは、すぐにはわかりません。やっていると、どれも重要に見えたり、
分からないことに時間が取られたりもします(いわゆる「ドツボにはまる」というやつですな)。




オンライン通信添削・ドットインストールについて






管理人は、今個人的に、経済学プログラミング言語について、
全くの独学で学習しています。普段、1人でやっているので、
「ホンマにこれでええんか?」と思うようなことは、しばしばです。



そういうときに本書と出合い、「わが意を得たり」という心地になれました。
経済学やプログラミング言語と格闘しているうちに、知らず知らずのうちに、
これらの独学のスタイルが、自然と身についてしまったからです。



ちなみに、独学と言っても、プログラミング言語の方は、全くの独学ではありません。
最近、こんな通信添削サービスがあるので、現在受講中です。



ドットインストール 通信添削コース







これは、これで色々と有意義なことを感じることがあるので、
別の機会で別の本と絡め合わせて、書くつもりです。




【関連エントリ】


日本成長戦略40歳定年制 経済と雇用の心配がなくなる日
日本成長戦略40歳定年制 経済と雇用の心配がなくなる日 その2









2013年5月26日日曜日

ほんとうにいいの?デジタル教科書

デジタル教科書は通信添削に向いているんじゃないの?





"デジタル教科書は、応用力をもって課題を解決していく人材を育てられるか"
(表紙より)



非常に「薄い」本なので、内容はデジタル教科書に関する、問題提起に絞っています。
もちろん「薄い」といっても、「読む価値がない」という意味ではありません。
デジタル教科書に関する問題は、理想的な答えなどすぐ出ない性質のものでしょう。



ということは、デジタル教科書をはじめとしたITを活用した教育サービスは、
さまざまな立場の人や思惑が交錯し、試行錯誤する市場経済に向いている
気がします。



何しろ国内の教育市場は2兆4000億円強で、このうちネット化されたサービスは、
わずか3%の675億円にとどまっているそうです。



有料ページで、購読者の方しか読めませんが、詳しくはコチラまで、どうぞ
日経ビジネス2013年4月29日・5月6日号 デジタル先生、教育市場を侵食





iPad / Sean MacEntee





デジタル教科書から見る教育の問題点






本書が意識しているのは、小学校高学年から中学生に関する学習で、
上記の日経ビジネスが意識しているのは、すでに学校を卒業した社会人の学習です。



年齢層に違いはあるものの、本書で提起されている
デジタル教科書の「問題」を意識をすることは、
とりもなおさず、教育ビジネスの拡大につながることだと考えます。



以下では、デジタル教科書に関して、「ソフトウェアから見た問題」
「デジタルコンテンツと学びの質」について、列挙していきます。





「ソフトウェアから見た問題」と「デジタルコンテンツと学びの質」について




  • 問題点その1:

Web上のハイパーリンクやアニメーションは理解を促進するのではないか?(P30)

"課題となっているのは、文章を論理的に読み取ったり、抽象的な概念を理解したりする部分であり、そこで学力格差が生じている。学力格差が、具体と抽象の間の溝を飛び越える能力の格差に由来するのだとしたら、アニメーションやドリル型デジタル教材は学力格差を埋める上であまり役に立たない。"



  • 問題点その2:

オンライン上の無償サービスは、必ずしも教育に向けて設計されているわけではない(P35)

"たとえば、検索エンジンは、世界中の人々が適切な情報にアクセスすることでより深い世界理解にたどりつけるよう提供されているわけでは、ない。"



  • 問題点その3:

学習者の入力形式で圧倒的に多いのが「選択肢型」であること(P37)


"iPadの指を使ったマルチタッチによる入力などは真新しく感じられるが、基本的には「選択」の入力をスムーズにしたに過ぎない"



問題点を記述していると、デジタル教科書のメリットを最大限を生かためには、
昔から存在している通信添削の教育に、特に向いているのではないか?と考えます。
通信添削のノウハウをデジタル教科書に置き換えるのが良いのかもしれない。



ということは、問題作ったり、添削したり、学習管理するのは、
コンピューターの仕事ではなく、人間の仕事
ということになりますなぁ。




【関連エントリ】


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