ラベル ベンチャー企業 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル ベンチャー企業 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2013年9月17日火曜日

新装版 レモンをお金にかえる法 "経済学入門の巻"

「所有と経営」を分離させるレモネード屋さん





"『レモンをお金にかえる法』という絵本のどこがどう素晴らしいのかというと、それはたった32ページの簡にして要を得たストーリーの中に、多くの経済用語が実に的確に盛り込まれていることなのです。"

(訳者解説より)



訳者の佐和隆光さんがおっしゃている通りだと思います。
しかしそれ以上に管理人が刮目したことは、
しっかりとした「出口戦略」が、子ども用の絵本に備わっていることです。




レモネード屋を売り飛ばすのは是か否か?





主人公がはじめるレモネード屋さんの「出口戦略」とは、

  • 「レモンを絞ってレモネードをつくること」
  • 「レモネード店の社長になること」


のどちらでもありません。最終的には、
「レモネード店を売却して資産を換金すること」です。



別の言い方をすると


  • 「丁稚(労働者)になること」
  • 「出世して手代・番頭(管理職)になること」



を目標・目的にするのではなく、
「企業家として信用を得、さらに大きな資産を得られるようにすること」が、
最終目標となっています。





121027 / yoco**




「所有と経営の分離」の優れた点





店(会社)を売却することを最終目標とする経済学教育なんて
「とんでもないと!」思われる方も、いらっしゃるかもしれません。
管理人は投資家でも経営者でも学者でもないので、良し悪しは論じられません。



ただし、この絵本にあるような「店(会社)の所有と経営を分離すること」を、
お勧めされている現役経営者の方も、いらっしゃるようです。



【参考文献】にあげた本の結論部分と合わせて読むと、
経済学の学習が、より一層楽しくなると思います。なぜ店(会社)の所有と経営を、
分離させた方が良いか
、実体験にもとづいて書かれています





【参考文献】


水永政志 現役経営者が教える ベンチャーファイナンス実践講義 ダイヤモンド社








2013年8月6日火曜日

Founders at Work 33のスタートアップストーリー

会社のサイズとCEOの長期休暇






  • Hotmail
  • Gmail
  • PayPal
  • Flickr
  • Yahoo!
  • FireFox



など、今となっては著名なサービスとなってしまった、ベンチャー企業の創業期のストーリー。
著者が創業者から会話をしながら、聞き出していく内容です。



中でも個人的に面白かったのが、PayPal。
今まで財布から小銭を出してモノやサービスを購入するという
当たり前の行動を変えてくれそうだからです。


ソフトバンク、米PayPalと合弁会社設立 - 決済サービス「PayPal Here」提供




 
MWC Barcelona 2013 - eBay, Paypal / Janitors





小さいことはいいことだ!?





PayPalがいかにシティバンクのような大手金融機関に対抗するくらいの資金決済サービスが、
できるようになった話も十分面白いですが、PayPalの組織形態もまた面白い!
個人的に意外だと思ったことを、いくつか書き留めておきます。


  • 会社は小さい方が良い

"「社員が25人になったら、僕は小さい会社の方が好きだから辞めると思うよ。それでいいかな」"

(P35)


→起業家にとって「大きな会社」とか「会社を大きくすること」に価値があることだと
思い込んでいましたが…。そうでもないんですね。




  • 創業期のCEOが一旦辞めてまたCEOとして復帰



"「合併により、しばらくの間、(CEOの)ピーターは休みを取ることにしました」"
"「この頃、経営の最上部でちょっとした口論になって、CEOはそのために辞めてしまいました。そこでピーターがCEOとして帰ってきました」"


(P28とP29)


→ベンチャー企業の社長は創業期からず~っと張り付いているもんだと思ってました。
経営に関与しなくなるのは、売却したときか、(スティーブ・ジョブスのように)取締役会に
追い出されるときぐらいのイメージしかなかった。いろんな路線があるんですね~。




【関連エントリ】


「金持ち父さん」への道~ハイブリッドビジネスパーソン特集
Eric Sink on the Businness of Software 革新的ソフトウェア企業の作り方



2013年7月24日水曜日

「金持ち父さん」への道~ハイブリッドビジネスパーソン特集

ロバート・キヨサキも納得(?)日本版・「金持ち父さん」



金持ち父さん貧乏父さん は、具体的な部分がぼかされたり、日米の制度が違ったりして、
日本人にとってすこし分かりにくかったりするのが難点です。



今回、ご紹介するのは、金持ち父さん貧乏父さん の現代日本版というところでしょうか。
 これら3冊は、その分かりにくい部分をより分かりやすくしてくれています。





ノマド。 / Atsushi Tadokoro





ノマドと社畜 ~ポスト3・11の働き方を真剣に考える







本書の結論を言えば、


  • ノマド
  • 社畜


の長所を取り入れて、どちらでも働けるようにしよう!というのが結論。
安易なノマドの礼賛や社畜の推薦は一切、行われていません。
どちらをするにも、「覚悟せよ!」ということです。



でもどうやって?




貧乏はお金持ち──「雇われない生き方」で格差社会を逆転する







"「誤解のないように言っておきたいのだけれど、私はこの本でサラリーマンという生き方を否定したいのではない。世の中に蔓延する「社畜礼賛」が薄気味悪いだけだ。"

(P5 まえがき)



「安易なノマド礼賛が薄気味悪いだけだ」とは、明確に書かれていませんが、
上のノマドと社畜 ~ポスト3・11の働き方を真剣に考える と主旨は似てます。
こちらは、ハイブリッドな生き方の一つの方法として、マイクロ法人の設立を提案しています。



マイクロ法人を設立するとサラリーマの時には別に理解しなくてもよかった、
日本の社会保険制度、税制度、金融制度について勉強することになります。
本書ではそれらの概要について、説明してくれてます。
もちろん「法人」を設立するならば、自分でウラを取りましょう。




現役経営者が教えるベンチャーファイナンス実践講義









貧乏はお金持ち──「雇われない生き方」で格差社会を逆転する は、
マイクロ法人の設立ということで、「株式上場」については、全く触れられていません。
ですが、こちらは起業→株式上場→創業者の引退まで踏み込んだ内容です
(創業者の引退というところが、他の証券アナリスト向けのテキストと違うところ)。



営利法人を立ち上げて上場するかしないかは、
創業者(や出資者)の自由ですが、「上場」がひとつの手段だと
考えている人のための本でしょう。



ピーター・ドラッカーで出てくる組織の在り方や、
証券アナリストの教科書に出てくる資金調達の説明などが、ひととおり触れられています。



「ベンチャー企業を立ち上げたい!でもどうやって運営するの?」とか
「将来のために大学の経営学部に入学したけど何読んだらいいのか分からん!」という、
素朴な疑問をお持ちの方に、最初の一冊!




【参考文献】


ロバート・キヨサキ 金持ち父さん貧乏父さん 筑摩書房








2013年6月17日月曜日

僕はミドリムシで世界を救うことにきめました。 ―― 東大初バイオベンチャー「ユーグレナ」のとんでもない挑戦 その2

出雲社長の心中と自由論の精神を掛け合わせてみた







ユーグレナの出雲社長は、起業をするにあたって、自分が「フツー」の人であることを、
強調されています。



  • 物質的に何不自由ない多摩ニュータウンの「ノーマルファミリー」で育ったこと
  • 「有名進学校」→「東京大学」→「東京三菱銀行」というレールは、自信のなさの裏返し
  • 起業をするにしても、10年間かけて35才くらいから、と「なんとなく」考えていたこと。
  • 銀行を辞めてしまった後も、「ミドリムシ」の事業化について胸を張っていえなかったこと。




本書では、特に起業をしたことがないような人でも、
理解できると思われる心情が、たくさん記されています。






Rails and girders / boegh




幸福の要素としての個性






で、この心情は、「出雲社長だから」とか「今どきの若い日本人だから」という
理由ではなく、人間がもつ普遍的な性質なものだと、感じることあります。
その拠りどころは、ジョン・スチュアート・ミルの自由論 (日経BPクラシックス) 、
「第3章 幸福の要素としての個性」。






"慣習になっている以外には、自分の好みを何も思いつけなくなっているのである。精神まで、抑圧の軛(くびき)に屈している。娯楽のときですら、真っ先に考えるのは世の中に合わせることである。いつも大勢に順応していたいのだ"

(P135)


出雲社長自身は「抑圧の軛」に屈しているとは思いません。
ただ、「有名進学校」→「東京大学」→「東京三菱銀行」というレールに乗っていたのは、
世間の慣習に合わないことをするのに、ためらいを感じていたのでしょう。





「世界を救う」ビジョンについて





もちろん、出雲社長は株式会社ユーグレナを立ち上げて、かつて誰もなしえなかった
ミドリムシの培養を事業化させるなど、目に見える成果をすでに出されています。



しかし、それと同じくらいに「世間の軽蔑」の対象になりかねない、「世界を救う」という
ビジョンをはっきり言い切ってしまうところに、凄さを感じます。
以下の引用も自由論からです。



"現在の世論の動向には、個性を明確に発揮することにとくに不寛容になりやすい性格がある。ごく一般的な人は知性の水準がごく平凡なだけでなく、好みの点でもごく平凡である。何か普通とは違ったことを行おうとするほど強い趣味や望みは持っていない。このため、強い趣味や望みを持つ人が理解できず、こうした人はみな、粗野で乱暴だとして、軽蔑の対象にしている連中と同じに考える"

(P150 第3章 幸福の要素としての個性)



【関連エントリ】




僕はミドリムシで世界を救うことにきめました。
 ―― 東大初バイオベンチャー「ユーグレナ」のとんでもない挑戦
自由論(日経BPクラシックス)