ギークが語る、小さな会社の経営について
ともに戦える仲間のつくり方でも、最初、技術畑の人は、
営業畑の創業者を信用してなかったなぁ。
限界集落株式会社でも、生産担当の副社長は、銀行員出身の社長を、
胡散臭いと思っていなかったなぁ。
「技術屋VS○○○」というのは、永遠のテーマなのかもしれません。
ですが、本書はその永遠のテーマにメスを入れるものです。
(○○○には営業とか、マーケティングとか、財務など、お好みの単語をどうぞ)。
本書は、ギーク(技術オタク)のための小さな会社、それも1人から3,4人程度の
規模の会社のことを想定して、アドバイスをしています。
「クールなコードを書きゃあいいんだろ」と、ギークが一方的に言い張っても、
経営者として、そんなことは一切、聞く耳もたないというスタイルです。
(文章を読んでいると、Ericさん自身は、相当なギークなような感じだが)
Athega, Small-office / Peter Hellberg
1人でビジネスをはじめる全ての人のために
ひょっとしたら何人かの人はサブタイトルを見て、
複雑なプログラミングのことや、一夜にして成功したきらびやかな起業家たちが、
登場するようなイメージを持たれるかもしれません。
残念ながら(?)その期待は、ハズレです。書かれている内容は、主に次のようなことです。
- 起業家になるための必要な資質
- 採用と人のマネジメント
- 戦略とマーケティング
- セールス
訳者の言葉を借りれば、本書は「技術屋のための会社経営入門」とも言えます。
ギークな部分を読みとばしても、何らかのスモールビジネスを始めたい人にとって、
著者の意図することは、十分に読み取れることができるでしょう。
Eric Sink 名言集
以下は、管理人が気に入ったフレーズをいくつか抜粋しておきます。
このブログを読んでくださった方のココロに刺されば、幸いです。
- 技術ではなく問題について考える
"製品アイデアを見つけようとするときには、普段とは逆の考えをする必要がある。使う技術だけでなく、解くべき問題に集中する必要があるのだ。"
(P127 第14章マイクロISVのための製品アイデアを探す)
- 自分の他の興味について考える
"しかし何かソフトウェア以外の領域についての知識があるなら、その領域における問題について、よく考えてみるといい。その非技術的な興味が単なる趣味だとしても、ソフトウェアがどう使えるかを考えてみるべきだ。"
(P127 第14章マイクロISVのための製品アイデアを探す)
- 競合は必要
"競合を避けることの大きな問題は、それが顧客をもさけることになるということだ。競合の存在はお金を払っている顧客の存在を意味する。あなたのアイデアで商売をしている人が誰もいないとしたら、それが本当にお金になることなのか怪しいと思うべきだ。"
(P144 第16章競合は必要)
【関連エントリ】
限界集落株式会社
ともに戦える仲間のつくり方 その2
ともに戦える仲間のつくり方
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