「最善の策」ではないが「次善の策」
タイトルに「破綻」とあります。これだけ聞くとおどろおどろしいイメージが、
いろいろと浮かびそうですが、まず最初に「破綻」の定義が、キッチリとなされています。
"仮に財政破綻が起これば、長期金利は上昇しインフレーションとなる。すると、政府のみでなく、借入金を抱える企業や住宅ローンを抱える家計も資金繰りが困難になる。(中略)その結果、為替レートは暴落し、石油や食料品などの輸入物価も急上昇していく。するとインフレーションや金利上昇は加速…。"
(P5 はじめに)
以前当ブログで取り上げた国家は破綻する 金融危機の800年によると、
近代に入ってからの日本は、すでに6回も「破綻」をしています。
「破綻」は、近代以降の日本にとって、はじめてのことではありません。
(すでに「実績」をつくっているだけに、またやるかもしれないという、ひねた考えもできる)
Ghost Town of Rhyolite, Nevada (10) / Ken Lund
結構込み入ってて「次善の策」も難しい
で、2020年に財政破綻が起こりそうな、一番の原因が、年金・医療・介護の
社会保障における1,150兆円の「暗黙の債務」(P59)だそうです。
とはいっても、本書の最も重要なところは、この「暗黙の債務」によって
崩壊寸前の社会保障制度を、いかに再生するかというところです。
ただし、日本の社会保障制度について、はじめて知る人にとっては、この内容は難しいかも…。
「賦課方式」とか「強制積立」とか「保険者・被保険者」って何?といういかめしい漢字を、
一つ一つ理解することからはじめていかないといけなさそうなので。
「次善の策」を理解するか、共倒れを回避するか?
「日本の年金制度はヤバそうなのだけどどうしたらいいのか分からん!」
というひとは、学習院大学・鈴木亘先生の
年金問題は解決できる! 積立方式移行による抜本改革をおススメします。
こっちの方が分かりやすい。
あと「日本の年金制度はヤバそうなので、できるだけ距離をとっておこう!」と考える人は、
橘玲さんの、貧乏はお金持ち―「雇われない生き方」で格差社会を逆転する
が参考になります。日本の年金制度がもつ根本的な欠陥に、
巻き込まれないための方法が書かれています。
【関連エントリ】
「金持ち父さん」への道~ハイブリッドビジネスパーソン特集
国家は破綻する 金融危機の800年
年金問題は解決できる! 積立方式移行による抜本改革その4
年金問題は解決できる! 積立方式移行による抜本改革その3
年金問題は解決できる! 積立方式移行による抜本改革その2
年金問題は解決できる! 積立方式移行による抜本改革その1
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