(再考)ラジアの年功型賃金モデルと子どもの貧困
本書を要約すると3点にまとめることができます。
- 2001年から2006年にかけての日本銀行の金融緩和が資源価格を高騰させ、賃金の下落を促進させた
- 賃金の下落と言っても、”女・非・小・短"のグループにおいて顕著で、"男・正・大・長"のグループではむしろ上昇している
- 全体的な賃金を上げるためには、人口を都市に集中させる
前回のブログでは、1について触れました。
今回は、それ以外について感じたことを書いてみましょう。
payday / hans s
"女・非・小・短"と"男・正・大・長"
"女・非・小・短"とは、「女性・非正規社員・小企業・短時間労働」の、
どれかの要件に属する労働者のこと。
"男・正・大・長"とは、「男性・正規社員・大企業・長時間労働」の、
すべての要件に該当する労働者のこと。
よく「労働市場の硬直化ガ―、」という発言を新聞・メディア・web界隈で見かけるますが、
半分は当たっているとは思うものの、舌足らずのように思います。
もう問題点を具体的に言うと、「労働生産性に見合わない報酬を得ている人たちが多い!」
ってことでしょう。以前、40歳定年制でふれたラジアの年功型賃金モデルが、そのことを
上手に表現しています。
ラジアの年功型賃金モデル
「年齢に関わらず生産性に見合った賃金を支払いましょう!」
というのが、日本成長戦略40歳定年制 経済と雇用の心配がなくなる日の主旨でしたが、
発想的には、本書も同じなような気がします。
40才定年制の賃金モデル
土地バブルの本当の狙いとは…
ただ、日本成長戦略40歳定年制 経済と雇用の心配がなくなる日は、
労働法や雇用慣行を改めることに力点が置かれていますが、
本書では「人口を年に集中させて、土地バブルを起こせ!」と主張しています。
その方が、"女・非・小・短"の賃金が上昇するからだそうです。
それは、なぜかというと…。
まぁ、それはネタバレになりますので、本書を一度読んでみてください。
あと、"女・非・小・短に関連して、ここでも「子どもの貧困率」についての言及がありました(P271)
所得の公平性を期するために実施ている社会保障政策を実施したら、
エライことになってしまっているやつ。 詳しいところはこの本をどうぞ。
所得再分配前の子どもの相対的貧困率
12.4%
↓
所得再分配後の子どもの相対的貧困率
13.7%
【関連エントリ】
日本成長戦略40歳定年制 経済と雇用の心配がなくなる日
子どもの貧困 ― 日本の不公平を考える
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