アカデミック・エンターテイメント~経済学者のネタ本
管理人が、おちゃらけミクロ経済学のネタ記事を書くために、
初学者用の経済学テキストを読んでいると、あることに気が付きます。
セクションごとに必ず、目の引く「コラム」が載っていることです。
難解な数式で塗り固められた、「お堅い」イメージのある経済学を
取っつきやすくするための、ひとつの方法でしょう。
面白いテキストには、必ず面白いコラムが、たくさん載っています。
本書は、その経済学のテキストにのっていそうな面白いコラムを集めて、
「お徳用パック」にした感じの本です。別の言い方をすれば、
経済学を新入生に講義をする先生が、話を引き立てるために使う、「ネタ本」とも言えるでしょう。
その中で、管理人が特に目を引いたネタを、2つほどあげておきます。
(厳密に経済学上の問題であるかどうかは疑問だが…)
Basketball Newcastle Eagles vs Mersey Tigers / hitthatswitch
上司が部下に対して「叱る効能」を過大評価するのはなぜか?
1.ある月に部下の業績が平均を下回る
↓
2.上司は部下に対して叱責する
↓
3.次の月に部下の業績が上向く
↓
4.上司は「叱る効能」を信じる
確かに、上司の叱責と、部下の業績向上には、相関関係がありそうです。
しかし、部下の業績が向上したのは、統計学上の「平均値への回帰」であり、
上司の叱責と部下の業績向上には、因果関係はありません。
平たく言えば、業績なんて良いときも悪いときもあるんだから、
たまたま悪かったものが、自然と平均に戻った、ぐらいに考えておきましょう、
といったところです。
上司が部下に対して「褒める効能」を過小評価するのはなぜか?
1.ある月に部下の業績が平均を上回る
↓
2.上司は部下に対して褒める
↓
3.次の月に部下の業績が下向く
↓
4.上司は「褒める効能」を疑う
確かに、上司が褒めることと、部下の業績低下には、相関関係がありそうです。
しかし、部下の業績が低下したのは、統計学上の「平均値への回帰」であり、
上司のが褒めたことと、部下の業績低下には、因果関係はありません。
平たく言えば、業績なんて良いときも悪いときもあるんだから、
たまたま良かったものが、自然と平均に戻った、ぐらいに考えておきましょう、
といったところです。
それぞれ、
- 上司→先生
- 部下→生徒
に置き換えたら日常の教育現場でも使えそうだなぁ。
【参考文献】
ポール・クルーグマン ロビン・ウェルス クルーグマン ミクロ経済学 東洋経済新報社
グレゴリー・N・マンキュー マンキュー経済学I ミクロ編(第3版) 東洋経済新報社
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