2013年4月6日土曜日

夜と霧 ドイツ強制収容所の体験記録

極限状態で生き残るタイプの人間とは?







この本、ロングセラーですよね~。実は読むのは、2回目です。
1回目は夜と霧 新版の方を読みました。今回、紹介するのは旧版です。



内容は同じかと思いきや、本体の「体験」部分は同じですが、
旧版では以下の2点が異なります。


  • 戦犯裁判法廷による強制収容所内部の解説
  • 強制収容所内部の写真


本の中から死臭が漂うような感じで、凄惨を極める内容です。
小学生にも知って欲しい内容ですが、あまりにも「アレ」すぎるので、
フランクルの作品を初めて読む人は、新版の方が、良いかもしれません。






Strafing run / Elsie esq.




肉体的体力では生き残れない強制収容所





「死」のイメージしか出てこない、強制収容所の体験記を読んでいると、
逆にどんな人が生き残るのかが、気になります。



この本に出会うまで、強制収容所・刑務所・捕虜収容所などで生き残る人とといえば
次のようなイメージがありました(個人的にですが)。



  • 強靭な体力を持つ人→少年ジャンプに登場する超人的な主人公
  • 特殊技能の持つ人→医者とか自動車整備工とかハッカーとか
  • 如才のない人→豊臣秀吉のような人



ところが、フランクルの体験記を読めば分かりますが、
このような人は、次々と死に追いやられていきます。
フランクルが体験した収容所は、安易なイメージを一蹴します。




極限状態で「おたく」が生き残る!?





では、どんな人が生き残ったのでしょうか?次のような人がからくも、命をつないだようです。
収容所の将校や監視兵の気分次第で、虐殺されたりするので、かなり運に左右されますが。




  • 精神的に高い生活をしていた人(P123)→フランクル自身のこと
  • 日常生活の体験を内面化できる人(P125)→詩や歌などを作れる人
  • 事物を何らかの機智で見れる人(P133)→ユーモアのある人




あくまで個人的な感想ですが、これらの「生き残りの要素」は、
現代の日本に言い換えると、こんな人が当てはまるように思います。


  • ヒマをつぶす能力が高い人
  • (有名)ブロガー
  • 起業できる人



かなり、今の世の中でマイノリティな人たちだと思いますが、
ニートの歩き方 ――お金がなくても楽しく暮らすためのインターネット活用法や、
働くことがイヤな人のための本などを読むと、中らずと雖も遠からずというよう感じです。
気になる人は、並行読みをお勧めします。




【関連エントリ】


私が嫌いな10の人びと
働くことがイヤな人のための本
ニートの歩き方 ――お金がなくても楽しく暮らすためのインターネット活用法



【参考文献】


ヴィクトール・E・フランクル 夜と霧 新版 みすず書房








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