2013年4月29日月曜日

山形道場 社会ケイザイの迷妄に喝!

そこまで言うか!山形師匠







特に脚色もなければ、どこかへの配慮も見当たらない、軽妙な語り口での文章。
山形浩生さんの特徴でしょう。ご自身がオリジナルで書いた文章だけでなく、
翻訳家として、海外の作品を翻訳した文章さえも、そんな感じです。



そんな「かる~い」文体とは、裏腹におっしゃっていることは、
ずいぶん本質をついてます。「そこまで言うか!」という具合に。






talk / lovelornpoets




雑文集。つまり「ぶっちゃけトーク集」




基本的に、山形浩生さんが、物事を判定する基準は、「費用と便益」です。
ある物事に対して、メリットとデメリットを列挙してみて、「メリットが多かったら
やりましょうや」という感じの人。



それに付随して「メンツがどーたら」とか
「タイメンがあーだ」とか言い出すと、喝!!!(とおっしゃると思う)



本書は雑文集なので、これといった一貫したテーマがあるわけではありません。
ご本人が、「でたらめなくらい首尾一貫していない(P13) 」と書いているぐらいです。





「臭いものの蓋」さえひっくり返す舌力





ここまで内容については直接触れず、山形浩生さんが書く文章や文体を述べてきましたが、
本書で、それが如何なく発揮されているのが、「第6章 社会文化に喝!」の
「たかる社会にたかる人々」




かつて完全自殺マニュアル なんて、本がありましたね。
その本をマクラにして、「そこまで言うか!でも当たっている…」というぐらい
強烈に本質をついています。これを読んだら、一億総懺悔というぐらいに。




管理人は、なるべく本を読んで、「コレは!」と思って感じたことは、
素直に書くように心がけていますが、さすがに「このこと」については、
引用するのも紹介するのも、ためらいを感じます。



どうしても気になる人は、「第6章 社会文化に喝!」の「たかる社会にたかる人々」
読んでみてください。P245から15ページほどなので、量はさほどありません。



また出版年は、2001年で10年以上前ですが、今読んでも全然違和感はありません。
むしろ、「臭い物に蓋をする」ような扱いを受けてきたようなことなんで、
後になって知ると、余計に「におい」を感じます。




【関連エントリ】


医療にたかるな
訳者解説 新教養主義宣言リターンズ




【参考文献】


山形浩生 要するに (河出文庫)








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