「地獄への道は善意で敷き詰められている」(P88)
本書の「成分」を分析すると、次の3つの本に分解されます。
- 勝間和代 会社に人生を預けるな~リスク・リテラシーを磨く~ (光文社新書)
- ロバート・キヨサキ 金持ち父さん貧乏父さん
- 中島義道 私の嫌いな10の人びと
そして、これら3冊の本と本書の合計4冊を足し合わせると、
なんとミクロ経済学のテキストが出来上がります!それぐらい考え方が相通じる本たちです。
どれかを読めば、ミクロ経済学の概念に行きあたりますので、
3冊読むの面倒くさいと思った人は、クルーグマンでもマンキューでも
スティグリッツでも、どれか一度、通読してみてください。
- ポール・クルーグマン クルーグマン ミクロ経済学
- グレゴリー・N・マンキュー マンキュー経済学I ミクロ編(第3版)
- ジョセフ・E・スティグリッツ スティグリッツ ミクロ経済学 第4版 (スティグリッツ経済学シリーズ)
Japanese Language Book / born1945
哲学者・中島義道との共通点とは?
さて、ビジネス界で活躍している(?)「勝間本」や「金持ち父さんシリーズ」は、
市中の書店で平積みにされて、内容もご存知の方も多いかと思います。
「分散投資」とか「B/S(バランス・シート)」とかいう単語を
キーワードにしていただければ、なぜ本書と似ているのか、
「はは~ん」と感づかれると思います。
問題は、世の中をフてた眼差しで見ているような、
哲学者の中島義道先生の思考法と本書の著者である、橘玲さんとが、
なぜ共通するのかです。
中島先生は、当人同士の合意さえできているのであれば、
他人のために詩を詠んで暮らすもよし、愛人になって糊口をしのぐのもOK、
というぐらいの、市場取引思考の人ですから、なんとなく分からないでもありません。
ですが、そういったミクロ経済学の論理的な思考様式以外に、
動物的な本能として、両者は似通っているところがあります。
「善意」はどうやって断るか?
今、手元に中島先生の本が手元にないので、うる覚えで書いていますが、
「嫌いな人」の一つに、こんなタイプの人がいたような気がします。
- 「お前のためを思って言っているんだ!」とかいう人
どういう流れで、中島先生がこんな人を「嫌い」になったのかは、忘れました。
ですが、本書の「地獄への道は善意で敷き詰められている」という文章を読んだとき、
とっさに頭の中でつながりました。
他人の「良かれ」と思って勧められていることが、実は「地獄への道」と感じたときとか。
みなさんはどうされているんでしょうか?悪意をもって勧められている分かったときの方が、
判断しやすくて、断る悩みがなくていいんですけど。
【関連エントリ】
私の嫌いな10の人びと
働くことがイヤな人のための本
【参考文献】
柳川範之 水野弘道 為末大 決断という技術 日本経済新聞出版社
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