2013年4月2日火曜日

1940年体制 さらば戦時経済増補版

給与明細書から見る太平洋戦争








昨日(4月1日)、新しい年度が始まりましたね。新しく会社に入った人は、
キリのいい日(20日とか、25日とか30日)に、1回目の給与をもらうことになるでしょう。



給与支給日のときには、給与明細書を渡されます。
(最近はIDとパスワードを渡して、Web上で閲覧させる会社もあるが)



給与明細書といっても、1回目の支給日のときは、そんなに気にならないものです。
差し引くものが、所得税ぐらいなので。



しかし、2回目以降は、かなり気になることが発生します
控除の項目に厚生年金保険料・健康保険料の金額が、しっかりのっていることです。





零戦 五二型 復元機 第七葉 / migikata





厚生年金保険料と健康保険料の意義





「何コレ?」



管理人も、最初に入社した会社の2回目の給与支給日の印象は、今でも忘れません。
とても「カワイイ」とは言えない金額だったからです。
ちなみに今は、当時と比べて、もっと「カワイクない」金額になっていると思います。



疑問に思った人は、人事部の給与計算担当の方に聞いてみましょう。
厚生年金保険料健康保険料は、「何に使われているのか?」とか、
「保険料率はいくら」とかについて教えてもらえると思います。




明細書の中で続く太平洋戦争





ただし、これら社会保険制度が、「いつごろから始まったのか?」とか
「何のために始まったのか?」ということになると、答えられる人は、結構少ないと思います。
本書の第3章(P63)で、その経緯が説明されています。



(いつごろ)

  • 厚生年金保険法(旧労働者年金保険法)→1941年
  • 健康保険法(旧職員健康保険法)→→→→1939年



(何のために)

  • 労働者の転職防止を行うため
  • 戦費の調達をするため
  • 将来に対する安心と希望を与えるため



その他、「終身雇用」・「年功序列」・「共同体としての企業」など
日本企業の変遷を語る上で、登場するキーワードが「いつごろ」・「何のため」発生したのか、
別の章で語られています。



2回目の給与明細書を見て、疑問に思う人(思った人)にはぜひおススメしたい一冊です。




【関連エントリ】


戦前昭和の国家構想
隷属への道 ハイエク全集 I-別巻 【新装版】



【参考文献】


野口悠紀雄 戦後日本経済史 (新潮選書)












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