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2013年6月26日水曜日

世界はひとつの教室 「学び×テクノロジー」が起こすイノベーション

「学校教育」とお仕事の関係について








こういうプレゼンテーションがあります↓



スガタ・ミトラ「クラウド上に学校を」





こちらのスガタ・ミトラさんは、自己学習システム「SOLE」による
教育革命を唱えていらっしゃいます。



サルマン・カーン「ビデオによる教育の再発明」






そしてこちらは、本書の著者のサルマン・カーンさん。カーン・アカデミーの創設者です。
プレゼンをしているところが、同じTEDなので、すごく似ているような気がします。




「何のために学校教育が登場したのか?」





中でも、酷似しているのが、最初の着眼点。2つのTEDの動画を見ているだけでは、
すぐには、分かりません。ミトラさんのプレゼンとカーンさんの本を読むと、
ピッタリ符合しているところがあります。



酷似しているといっても、おふた方がアイデアをパクリ合っているという意味ではありません。
人数としては、たった2人の人しか言ってないようなことですが、
世間の人がうすうすと思っているようなことを、代弁しているように感じます。






School children / Museum of Hartlepool






問題は大勢の人間が「食える」かどうか






そもそも、義務教育の象徴でもある、「学校教育」は、
いつごろ、どこで、何のために発生したのでしょうか?
おふたかたは、かつて近代ヨーロッパに存在した2つの国に起源を求めています。




  • スガタ・ミトラさん→大英帝国方式


"学校は官僚行政マシンの歯車になるような人間を生産してきました。全員まったく同型の歯車にならなければなりません。(中略)全員同型ですから、例えばニュージーランドから1人を選んでカナダへ送っても、すぐに適応することができます。"

(1:50ごろ)




  • サルマン・カーンさん→プロイセンモデル


"ねらいは、自分の頭で考えられる人間を育てることではなく、忠実で従順な市民を次々と生み出すことにありました。両親や教師、教会、そして王の権威に従うことがいかに大切かを知りなさいと。"

"生徒たちに所定のカリキュラム以上のことを考えさせたり、異端の危険思想を話し合う時間を持たせたりしては断じてならない。チャイムが鳴ったら有無を言わさず会話や思考を中断させ、予定された次の回へ進ませる。秩序が好奇心にまさり、規律が個人の主体性に優先する - というわけです。"

(P82~83 プロイセン・モデル)


言い換えれば、おふた方とも、「学校教育」は「大量生産の機械部品をつくるところ」、
と言いたいわけですな。もちろん「大量生産の機械部品」が、良いかどうかの
価値観を論じるつもりはありません。社会には、それが必要な部門があるでしょうし。



ただ気にになるのは、それで大勢の人間が「食っていけるか?」ということ。
ミトラさんは、それについて、このようにおっしゃってます。


"我々が知る「学校」というのものは時代遅れなのです。学校は「崩壊」したわけではありません。よく「学校崩壊」というのがよく言われていますが、崩壊はしていません。造りはちゃんとしています。ただもう古くて使い物にならないのです"

(3:09ごろ)


「学校教育」とこれからの仕事をつなげてみれば、非常に興味深いテーマです。



【関連エントリ】


世界はひとつの教室 「学び×テクノロジー」が起こすイノベーション(予告編)



【参考文献】


リンダ・グラッドン
ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉 プレジデント社


ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉




2013年4月23日火曜日

困ってるひと

「難民女子」、システム不全とたたかう






著書である大野更紗さんは、今の日本において、自分の「住所」がなきに等しい状態です。
言語を絶するほど、2つの意味で、「困って」います。


  • 「筋膜炎脂肪織炎症候群」
  • 「身体障害程度等級 二級」


1つ目は大野さんの病気が、自己免疫系の特殊な疾患であること。
検査体制も、治療法も確立されていません。専門医も日本に指折り数える程度しかいません。



2つ目は、現在の社会保障制度のセーフティネットに、ひっかかりにくいこと。
障害者福祉施策が、太平洋戦争中の傷痍軍人の救済を目的としているため、
大野さんの症状や闘病生活を支えるのに、必ずしも適していないことです。



言い換えれば、彼女は、「体のシステム」と「社会のシステム」と2つのシステム不全と、
立ち向かわなければならない
方なのです。
(彼女はこのことを、『わたし、溺れる。「制度」のマリアナ海溝へ』と表現している)






Hospital Geral do Estado / Fotos Gov/Ba




専門医でさえ迷う「住所不明な疾患」





以下、管理人があーだこーだと書くよりも、引用をそのまま使わせてもらった方が、
大野さんの主張が伝わると思います。まずは医学的なことから。



【検査のための骨髄穿刺について】
"こう「針」ではなく、「釘」としか言いようのない、つまりはクギのついた、巨大な注射針を、一応局所麻酔をして、腰にぶすっと突っ込み、ゴリゴリゴリと力任せに腰骨を突き刺し「ヒュッ」と骨髄液を採取するのだ。どうだい想像するだに戦慄するであろう。"

(P92 第四章 わたし、壊れる)


【卵巣膿腫のためお尻がパンパンに腫れ上がったあとの出来事)
”わたしのおしりは、ついに破裂した。(中略)とにかくわたしの液状化したおしりは、流れ続けていた。わたしは立たされ、地球の重力に従って落ちてくるチョコレートフォンデュ状態の「元おしり」液体を、I君(男性看護師)がボトルで受け止める。"


(P195 第九章 わたし、流出する   かっこがきは管理人が書きました)



大日本帝国がつくった?障害者福祉制度




次に、日本の社会保障制度について。


【難病患者が制度の狭間に陥っている存在であることについて】


"戦後、戦争で怪我を負った軍人さんの保護を主たる目的に始められた日本の障害者福祉施策においては、「目に見える障害」=「身体障害」という、概念がいまだにメインストリームとして引き継がれている。どんなに苦しくても、痛くても、関係ない。"

(第十章 わたし、溺れる)


【社会福祉制度が複雑怪奇な「モンスター」であることを悟った時の決意】


"ひとが、最終的に頼れるもの、それは、「社会」の公的な制度しかないんだ。わたしは「社会」と向き合うしかない。わたし自身が「社会」と格闘して生存していく術を切り開くしかない。"

(第十一章 わたし、マジ難民)



【関連エントリ】

2012年12月30日日曜日

年金問題は解決できる! 積立方式移行による抜本改革その4

「積立金不足」をうめるのは「未来への期待感」







鈴木亘先生の、「年金問題は解決できる!」の感想文も、今回が最終回です。
前回のブログでは、公的年金制度において、すでに生じている、
「750兆円の積立金不足」の補填方法について、述べました。

 

鈴木先生は、まず「相続税の徴収強化」をあげられています。
次に、2番目の方法として、「積立方式年金事業団債」を発行する方法も、紹介されています。




赤ちゃん

おはようとらちゃん / yto




事業の黒字を担保に資金調達




前回のブログで紹介した「積立方式年金事業団」は、
将来に向かって新しく年金の積立を行う組織です。



当然、最初のうちは収入大で、支出ゼロの事業なので、事業は黒字になります。
その黒字と、将来の所得税を担保にして、債券市場から資金調達をします。



そして、そこで調達された資金をもって積立金の補填を行い、
現在、年金を受け取る方にお金を配分します。



ただ、この方法に関する見方は、2つに分かれると個人的に考えています。


  • 肯定的な見方→「世間はオレ達を信じてしてカネを託してくれる!」
  • 否定的な見方→「結局は借金かよ!?」



資産と負債は表裏一体の関係





もっとも、現行の公的年金制度をそのまま続けるにせよ、
鈴木先生が提案される、「積立方式年金事業団」と「年金清算事業団」を導入するにせよ、
「750兆円の積立金不足」という、負債の手当てという問題は、常について回ります。
(つまり、日本に住んでいる限り借金からは、誰も逃げられないということ)



このように「負債」、「負債」と書くと、まるで負債が疫病神のように見えますが、
個人的には、そういう風には考えていません。
社会全体で考えると、「誰かの資産は、誰かの負債」で、両者はワンセットの関係だからです。
(会計の世界で使われている貸借対照表のイメージ)



問題は、「片割れの資産」を持っている人が、「片割れの負債」を持っている人に対して、
「コイツは、負債が返せなくなるじゃないか?」ということを「思い込んでしまう」
ということでしょう。



「負債が返せなくなった」という確定した事実も、もちろん重要ですが、
ここでは、その事実よりも先に、「思い込んでしまう」ということがポイントです。



人はそういう心理状態に陥ると、他人に対して、お金を貸そうとは思わないでしょう。
また社会全体がそう思えば、「積立方式年金事業団債」を、誰も買わないでしょう。
(この心理状態の、逆バージョンがいわゆる「バブル経済」)




解決方法は未来への「期待」





逆に、資産側が、負債側に対して、
「コイツにカネを貸しても(出資しても)大丈夫。必ず利子(配当)をつけて返すはずだ!」
と思ってしまえば、人は、他人にお金を貸します。



債券市場や資本市場で、それなりのお金を、それなりの条件で
調達することが、できるでしょう。



今回は、4回シリーズのブログで、公的年金問題について書いてきました。
管理人は、この問題を解決するためには、


  • 『「お金を持っている側」が「お金を持っていない側」に対して、見返りの「期待」を込めて、お金を貸す(出資する)ことができるか?』


つまり、「未来への期待感」をいかに社会全体で醸成するか?ということに尽きる、と考えます。




「ほどほどの期待感」が必要





今回は、たまたまテーマが、「公的年金問題」でしたが、
テーマを「企業」に置き換えても、同じことが言えると思います。



以前、戦後から高度経済成長期において、
「日本のどの部門がおカネを持っていたか?」という指標を見たことがあります。
その指標で、「企業部門」を見ると「資金不足」の状態であったことが分かりました。



それに対して、「家計部門」・「金融部門」などは、「資金超過」の状態にあり、
「企業部門」に対して資金を供給し、「日本全体でほぼチャラ」という印象を受けました。
(あと、「外国部門」とかもあったと思いますが、浅学にして国内部門しか見ていません)。



70年代半ばに生まれた管理人は、「高度経済成長期の日本」と聞くと、
「金持ちの国」というイメージを抱いていましたが、
決してそうではなかったことが、最近ようやく分かってきました。



実は、「企業部門」は成長を担保として、負債(や出資)などで
他部門からカネを回してもらっていたことが、この指標を見て、理解できるようになりました。
(ちなみに、ここ最近の「企業部門」は「資金超過」の状態にあることもついでに分かった)。



もちろん管理人は、「期待」の効用だけを考えるもではありません。
「期待」の先にある、「見返り」と「リスク」をどのように測るか?ということも、
同じくらい大切だと考えています(そうでないと「バブル経済」になってしまいますから)。



そのためには、鈴木先生が、本書で述べられたように、
日本全体で「750兆円の積立金不足」という、基本的な事実を明確にされたことは、
大変意義のあることだと考えています。




【関連エントリ】



年金問題は解決できる! 積立方式移行による抜本改革その1
年金問題は解決できる! 積立方式移行による抜本改革その2
年金問題は解決できる! 積立方式移行による抜本改革その3
15歳からのファイナンス理論入門-桃太郎は、なぜ、犬、猿、キジを仲間にしたのか?
2050年の世界 英『エコノミスト』は予測する
今週の週刊ダイヤモンド2012年12月8日号


【参考文献】


ジェームズ・スロウィッキー 「みんなの意見」は案外正しい (角川文庫)「みんなの意見」は案外正しい (角川文庫)





2012年12月29日土曜日

年金問題は解決できる! 積立方式移行による抜本改革その3

積立方式による年金制度の提案



年金問題は解決できる! 積立方式に以降による抜本改革


前々回、前回と「公的年金の現状」と「公的年金の将来」について、書いてみました。
特に前回のブログの「公的年金の将来」では、


  • 将来の年金(給付)= (賃金 ×上昇率2.0% × 年数) + 保険料率(同じ) + (積立金 × 利回り2.5% ^ 年数)+ 税金


という計算式をあげ、年金給付の原資である、公的年金の積立金が急速に減少している
現状について、本書の内容と合わせて紹介しました。




赤ちゃん

床で遊ぶとらちゃん / yto





それで将来の年金給付はどうなるのか?






ここまで書くと、「じゃあ年金制度はどうなるの?」ということになります。
著者の鈴木先生は、現行の年金(給付)の水準と法制度が続くと仮定して、
以下のようになることを示されています(P38)。


  1. (厚生年金)積立金が2031年度に枯渇
  2. 「2017年に18.3%で固定」とした厚生年金の保険料率を「2035年に24.8%で固定」に修正


ちなみに2については、鈴木先生の見解ですが、
1については、厚生労働省の見解に基づいています。
厚生労働省 第15回社会保障審議会 年金部会(6ページの注2)





「年金清算事業団」の発足






一見、複雑そうに見える公的年金の問題ですが、
本質的な問題は、「750兆円の積立金不足」※というところに行きつきます。



  • 労働者予備軍(子ども)を増やして、保険料徴収の対象者を増やす
  • 保険料率をあげて保険料収入を増やす
  • 積立金残額分の運用成果を利回りをあげる



これらは、「積立金の不足」を補うための、一つの手段となります。
ですが、そもそも、これらの手段を講じるためには、不足している積立金について、
まず最初に、「どのように」補填していくのか、という視点が必要になります。



その視点を確保するために、鈴木先生は、
「積立方式年金事業団」と「年金清算事業団」の方式を提案されています。
特に後者については、過去にJR(旧・国鉄)で行った実績がある方式です。


  • 「積立方式年金事業団」

将来、年金を受け取る人たちのために、個人別の積立口座を開設し、
それぞれが、将来に所得補償の必要が生じたときに、「個別」に取り崩す。


  • 「年金清算事業団」

すでに年金を受給している人たちや、過去に年金支給の対象となった、
保険料を支払った実績のある人たちに、確定済みの年金(給付)を支払う。



大ざっぱな感じですが、世代別にカテゴライズすると、次のようなイメージになると思います。


  • 子ども→「積立方式年金事業団」のみ加入
  • 若年・中年齢層→「積立方式年金事業団」と「年金清算事業団」の2つに加入
  • 高年齢層→「年金清算事業団」のみ加入


積立金不足はどうやって埋めるの?




ただし、この方式でも、なお問題が残ります。
過去から現在にかけて築き上げた、「750兆円分の積立金不足」について
「誰が」、「どのように」、負担するのかという問題です。



そこで鈴木先生は、負担の原資の一つとして、「相続税の徴収強化」をあげられています。
「生きている人」には課税をしないが、「死んだ人」には課税するという考え方です。


"現在、我が国では、毎年約40兆~97兆円もの相続資産(不動産を含む)が発生していると推計されています。そのうち、相続税(贈与税を含む)として徴収できているのは、わずか1.4兆円程度にしか過ぎません。"

(P145 第5章「「積立方式移行」で年金問題は解決できる」)


ちなみに、「相続税の徴収強化」というのは、社会保障制度改革の一つとして、
取り上げられることもある、「ベーシック・インカム」においても、その財源として、注目されています。



※前回のブログでは、「750兆円」の部分を「800兆円」と書き換えています。
750兆円は、厚生労働省が、2009年の公的年金の財政検証に用いた値です。
800兆円は、著者が本書の出版に合わせ、最新のデータで計算した値です(P129)。

(つづく)



【関連エントリ】


年金問題は解決できる! 積立方式移行による抜本改革その1
年金問題は解決できる! 積立方式移行による抜本改革その3
年金問題は解決できる! 積立方式移行による抜本改革その4
2050年の世界 英『エコノミスト』は予測する
今週の週刊ダイヤモンド2012年12月8日号
やさしい「ベーシック・インカム」
おちゃらけミクロ経済学 ベーシックインカムと「もしもボックス」



【参考文献】


新田ヒカル・星飛雄馬 やさしいベーシック・インカムやさしいベーシック・インカム サンガ


やさしいベーシック・インカム


2012年12月28日金曜日

年金問題は解決できる! 積立方式移行による抜本改革その2

将来問題を考えるときのツールは「複利計算」






前回からの続きです。
前回では、「公的年金の現状」について、簡単な計算式で表しました。
今回のブログでは、「公的年金の将来」についてカンタンな計算式で表しましょう。



現在の公的年金制度は、「世代間の仕送り方式」とも呼ばれ、
その時々の、働ける世代が保険料を支払い、働けない世代がその保険料を
年金として受け取るシステムになっています。



現在働けいて収入を得ている世代も、将来的には、「老齢」や「障害」などを理由として
働けずに収入が途絶えるということが、一定の確率で発生します。



こういった長期的なシステムのため、公的年金制度を考える上では、
「現在」だけでなく「将来」の視点でも、考える必要があります。




赤ちゃん

ご機嫌とらちゃん / yto




公的年金を理解したい人のためのやさしい計算式 その3



  • 現在の年金(給付)(A)= 賃金(B) × 保険料率(C) + 積立金(の取崩し)(D) + 税金(E) ―(2)


前回のブログで登場した計算式です。
「公的年金の将来」について、厚生労働省が(分かりにくく)発表し、
著者がまとめた数値を使うと、以下のような計算式になります。



  • 将来の年金(給付)(A)'= (賃金 ×上昇率2.0% × 年数)(B)' × 保険料率(C) + (積立金 × 利回り2.5% ^ 年数)(D)'+ 税金(E)―(3)


  • 将来の年金(給付)(A)'

65歳以降世代の増加による給付増


  • (賃金 ×上昇率2.0% × 年数)(B)'

2009年の財政検証で厚生労働省が発表した名目金利の長期運用利回りは4.1%(P41)
(運用利回りと賃金の上昇率は一概に比較できないが、複利計算をする上で、乖離が生じる)

  • 保険料率(C)

据え置き。同じ。


  • 積立金(D)'

2009年の財政検証で厚生労働省が発表した名目金利の長期運用利回りは4.1%(P41)

  • 税金(E)

2004年の年金改革で消費税のUPはすでに織り込み済み(P57)



要するに、左辺の年金(給付)は「確実に増加」していくのに対し、
右辺の賃金と積立金の部分は、「加速度的に減少」していく
ことになります。



特に右辺は、第1項と第2項に、大変な問題を抱えています。
なぜなら、賃金上昇率と積立金の運用利回りが、過去に政府が年金制度を運営するために、
想定している利回りの数値と乖離があるからです。




おそるべき複利効果のパワー




賃金上昇率が政府の想定していた数値と乖離していていることも、十分問題ですが、
積立金の部分が、「加速度的に減少」していくことも、同じくらい重要です。



乖離幅に基づいてを複利計算すると、元利合計が年数分だけ
累乗的に乖離することになるからです。



例えば、管理人が、現在20万円の積立金を持っているとしましょう。
これらを2つの銀行に50年間10万円ずつ、それぞれの利息で預けると、
元利合計は、以下のようになります。


  • A銀行→4.1%→745,652円
  • B銀行→2.5%→343,711円


わずか1.6%の違いですが、結果として両者は倍以上の差が返されます。
いろいろ複利計算シート



公的年金は100年間にわたって制度設計がなされます。
例で上げた、50年の連続複利計算は、決して大げさなものではありません。
年金給付の引当てとされるている、「原資」は急速に縮小しているのです。
(つづく)



【関連エントリ】


年金問題は解決できる! 積立方式移行による抜本改革その1
年金問題は解決できる! 積立方式移行による抜本改革その3
年金問題は解決できる! 積立方式移行による抜本改革その4
2050年の世界 英『エコノミスト』は予測する
今週の週刊ダイヤモンド2012年12月8日号










2012年12月27日木曜日

年金問題は解決できる! 積立方式移行による抜本改革その1

計算式でわかるカンタン年金問題



年金問題は解決できる! 積立方式に以降による抜本改革




日頃、公的年金関連のニュースを見ていると、
「そもそも年金(給付)はどのようなシステムで支払われているか」
という視点が少ないように感じます。
まず、最初にカンタンな計算式を使って、公的年金について解説していきしょう。



ポイントは、「誰かの収入は、誰かの支出である」ということです。
この単純な事実をおさえておけば、非常に分かりやすいものです。

"我が国の年金制度では、若いころ支払った保険料は、自分の口座に蓄えられることなく、支払った瞬間にパッと煙のごとく消えてしまっています。どこに消えたかといえば、政治家や官僚たちがムダ遣いをして消えた分もありますが、大半は、その時の老人に年金を支払うために使われてしまったのです。認めがたいことかもしれませんが、これが現実です"

(P92 「第4章諸悪の根源はどこにあるか?」)






赤ちゃん

両手におもちゃを持って遊ぶとらちゃん / yto





公的年金を理解したい人のためのやさしい計算式 その1





上の引用のように現在の公的年金制度は、働いた人が納めた保険料をそのまま
年金の受給者に渡す制度なので、現在の年金(給付)は以下の(1)式によって成立します。
(いわゆる「賦課方式」の年金制度)


  • 現在の年金(給付)(A)= 賃金(B) × 保険料率(C) -(1)

本書で述べられている内容にもとづいて、(1)式の現状を左辺から解説していきましょう。


  • 現在の年金(給付)(A)

物価が下落していても年金(給付)の名目金額は据え置き(P51)


  • 賃金(B)

上昇率はマイナス(過去10年間の名目賃金上昇率は‐0.7%)(P38)

  • 保険料率(C) 

一定水準まで段階的な引き上げを行ったあと固定
(毎年0.354%ずつ引き上げて2017年に18.3%で固定)(P54)



つまり(1)式は、左辺の価値が大きい状態が続いているにも関わらず、
右辺の価値は、どんどん下がっているということを表しています。
実は、左右でイコールにはなっていないところがミソです。




公的年金を理解したい人のためのやさしい計算式 その2





しかし、左右でイコールにならないと、現行の公的年金制度が、成立しませんので、
現実的には(1)式は、次の(2)式のように修正されます。



右辺に、積立金(の取崩し)と税金が投入されます。
(いわゆる「修正賦課方式」「修正積立方式」の年金制度)


  • (修正版)現在の年金(給付)(A)'= 賃金(B) × 保険料率(C) + 積立金(の取崩し) (D)+ 税金(E)

  • 積立金(D)

800兆円の積立金(引当)不足
(すでに支払うと約束した年金債務950兆円と積立金残額150兆円の差額)(P123)


  • 税金(主に消費税)(E)

国民年金給付の、おおむね半額に相当する額を、すでに織り込み済み



現行の公的年金制度では、右辺の第1項のみでは、
左辺とのつり合いが取れないため、政府は、第2項と第3項を用意しています。



しかし積立金は、「過去のダメージ」を引きずって傷ついています。
今回のブログは、現在の状況についてのみ言及しましたが、
さらに大きな問題が、将来にわたって続くというところです。
(つづく)




【関連エントリ】


日本成長戦略40歳定年制 経済と雇用の心配がなくなる日
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今週の週刊ダイヤモンド2012年12月8日号







2012年11月2日金曜日

女性経営者特集です!

山口絵理子さん、中村あつ子さん、経沢香保子さん




裸でも生きる2 Keep Walking私は歩き続ける (講談社BIZ)





裸でも生きる2 Keep Walking私は歩き続ける (講談社BIZ)


読んでていて、山口さんの社長業は、あまりに情熱的すぎて、
途中でブチ切れるんじゃないかと心配するほどでした。





  1. 突き進んでいるように見えて、実は心の中では怒りや悲しみなどネガティブな感情を表しているところに、人間としての親近感を、覚えます。
  2. ネパールの国情から左派勢力が極端に強すぎると、政府機関はもとより産業、民心が非常に荒むことがよく分かった。
  3. マザーハウスの直営店が大阪にあることを知りました。地元なので一度行ってみたいと思います。


マザーハウスショップリスト





私と橋下知事との1100日





私と橋下知事との1100日




最初にページをめくると、
橋本知事(現・大阪市長)と著者のツーショットがのっています。
お二人ともとてもさわやかな笑顔です(^o^)/



特に中村さんは、大阪府入庁後にある幹部から、「可憐な女性」と評されていたそうですが、
なるほどそんな感じです。




ところが、読む進めていくと、
なんと、「けったくそ悪い」という、お上品でない形容詞を連発(笑)



上記の、マザーハウス・山口さんと同じく、
読みながらハラハラしました。よくブチ切れなかったなと。




中村さんの文章は、具体的な名詞と動詞で構成されていますので、
文章をいちいち追わなくても、主張したいことがよく分かりました。




  • 「恋するメルマガ」
  • 「恋する大阪ミュージアム構想」
  • 「大阪ミュージアムショップ」


は、読んでてとてもワクワクしました。
かつての、「商都・大坂」を彷彿とさせます。




商都・大坂

Osaka - 大阪 / Metro Centric

経沢香保子の夢を叶える読書術









図書館の読書術コーナーで立ち止まって読んできました。
そんなに難しいことは書いてませんでした。経沢さんのウルトラポジティブシンキングに脱帽。
上記でご紹介した、山口さん、中村さん同様、考え方が、非常に積極的です。




2012年11月1日木曜日

今週の週刊ダイヤモンドと週刊東洋経済(2012/11/3)

またまた特例公債法案がらみ…


週刊ダイヤモンド







花まる学習会・高濱代表のコメント:


「あ、これだ!って、わかった喜びを知っている人は、
考えることにズルをしない。自分で考え付く
快感を知ることができるのがパズルだ」


(P30)



何もない自然を舞台に創造力を発揮して遊んでこそ
知性や人間的魅力が育つという持論について。



誠にそのとおりだと思う。
個人的な感想を述べれば、大人になっても、
子どもほどではないにしても、
それなりの創造力は発揮できると思います。




さらに「自然」だけではなく社会科学(経済学)の
舞台でも活躍できるのではないのかなぁ?






The smiles / INABA Tomoaki


週刊 東洋経済








連載「新ビジネス発想塾」(P96)より




問題解決症候群からいつ日本は脱却できる(?)



この国では子どもも大人もこの症候群にかかっているらしい。
多様な選択肢を求める「探索学習」の思考法が、有効らしい。
上記の「週刊ダイヤモンド」の特集と同じようなことを
おっしゃってますな~。




あとニュース記事に特例公債法案がらみの記事が出てた。
先週の「週刊ダイヤモンド」に引き続きって感じか!



11月に4兆円を支払わなければならない
地方交付税交付金が、喫緊の問題だとか…。
とばっちり受けたくないなぁ…。



赤字国債がらみの記事は、なんかいろいろ飛び交っているるが、
実際どうなんだろ?







Tokyo Stock Exchange / Dick Thomas Johnson






四〇〇万企業が哭いている ドキュメント検察が会社を踏み潰した日

問題は、司法制度?銀行行政?会計制度?そのどれでもないような気が…









イスラエルの企業では、アメリカ人従業員より
ユダヤ人従業員に納得させて仕事させるのが、とても難しいらしい。



「なぜ私はこの仕事をしなければならないんだ?」
「そもそもなぜあなたは私の上司なんだ?」



こんな会話が、部下から上司に日常的に交わされるらしい。
とにかく「なぜ?」・「Why?」を連発するらしい。



組織としては、こんな「兵隊」ばっかりであると、
たまったものはありませんが、イスラエルは、人口700万人の
小国ながら、将来有望なベンチャー企業が育つらしいです。



(もっともスタートアップに成功したイスラエル企業は、
軍事リスクを恐れて、外国企業にすぐ売却してしまうのが
経済政策における悩みだそうですが・・・)



週刊東洋経済(2012年11月3日号)の連載記事で、
日本では、老いも若きも、「問題解決症候群」にかかっているそうです。
問題は、はじめから設定されているものなので、日本の「兵隊」には、
模範解答(What)しか求められていないません。




  • 検察幹部(世間体を気にする)
  • 取調担当の検事(主任検事の捜査の構図に基づき、供述を引き出さなければならない)
  • 銀行(金融庁のマニュアルで、固められた貸倒引当金を積まなければならない)
  • 銀行員(本部の意向に従って、金利の引き上げや金融派生商品の販売に奔走する)
  • 中小企業(来期の展開が開けていても、当期の決算は「黒」に粉飾せざるを得ない)




これらを読んでいると、どこが悪い、誰が悪いというより、
システム全体の問題のような気がします。



検事も、銀行員も、中小企業の事業主も、
昔はみな子供で、将来は何の職業に就くか分からない人たちです。
最初の段階で「なぜそうなるんだ?」「他に上手い方法は何かないのか?」
という、探索型学習を身につけることが肝要だと感じます。




子どもプログラミングサークル ビスケットvol.6 / tacac0




もっとも中小企業事業主の方の、98%は、そういう思考を事業遂行の過程で
身につけていらっしゃると思いますが。