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2014年2月25日火曜日

日経プレミアPLUS VOL.13 給料がヤバい!

「バカ」が武器!






【こんな人におすすめ!】



  • 求職活動中の人(学生か学卒なのかは不問)



【ガツン!ときた一文】



"子どもの教育で最も大事なことは、「好奇心を育てること」だと思うんです。好奇心こそが、コンピュータにできないことができるようになるためのエンジン。クリエイティブと言われる成功した人たちに共通する資質は、好奇心ですからね"


(P59)



【ひとこと】



  • 「これから仕事になるかどうか」
  • 「将来メシが食えるかどうか」

のお話である、城×柳川×新井の鼎談コーナーを繰り返し読みました。



一見すると労働だけの問題のように見えるが、
コトの本質は「教育+労働」にあるように思います。



大人だから職業訓練だけを受けて「ハイ、終わり」というわけではなく、
年齢を重ねても好奇心を育めるかどうかが分かれ目。



機械やコンピュータとの差別化のポイントは、「バカ」になれるかどうか。
人間の命令通りにしか動けないコンピュータは、「バカ」にはなれないでしょう。



【一緒に読みたい本】









2013年6月26日水曜日

世界はひとつの教室 「学び×テクノロジー」が起こすイノベーション

「学校教育」とお仕事の関係について








こういうプレゼンテーションがあります↓



スガタ・ミトラ「クラウド上に学校を」





こちらのスガタ・ミトラさんは、自己学習システム「SOLE」による
教育革命を唱えていらっしゃいます。



サルマン・カーン「ビデオによる教育の再発明」






そしてこちらは、本書の著者のサルマン・カーンさん。カーン・アカデミーの創設者です。
プレゼンをしているところが、同じTEDなので、すごく似ているような気がします。




「何のために学校教育が登場したのか?」





中でも、酷似しているのが、最初の着眼点。2つのTEDの動画を見ているだけでは、
すぐには、分かりません。ミトラさんのプレゼンとカーンさんの本を読むと、
ピッタリ符合しているところがあります。



酷似しているといっても、おふた方がアイデアをパクリ合っているという意味ではありません。
人数としては、たった2人の人しか言ってないようなことですが、
世間の人がうすうすと思っているようなことを、代弁しているように感じます。






School children / Museum of Hartlepool






問題は大勢の人間が「食える」かどうか






そもそも、義務教育の象徴でもある、「学校教育」は、
いつごろ、どこで、何のために発生したのでしょうか?
おふたかたは、かつて近代ヨーロッパに存在した2つの国に起源を求めています。




  • スガタ・ミトラさん→大英帝国方式


"学校は官僚行政マシンの歯車になるような人間を生産してきました。全員まったく同型の歯車にならなければなりません。(中略)全員同型ですから、例えばニュージーランドから1人を選んでカナダへ送っても、すぐに適応することができます。"

(1:50ごろ)




  • サルマン・カーンさん→プロイセンモデル


"ねらいは、自分の頭で考えられる人間を育てることではなく、忠実で従順な市民を次々と生み出すことにありました。両親や教師、教会、そして王の権威に従うことがいかに大切かを知りなさいと。"

"生徒たちに所定のカリキュラム以上のことを考えさせたり、異端の危険思想を話し合う時間を持たせたりしては断じてならない。チャイムが鳴ったら有無を言わさず会話や思考を中断させ、予定された次の回へ進ませる。秩序が好奇心にまさり、規律が個人の主体性に優先する - というわけです。"

(P82~83 プロイセン・モデル)


言い換えれば、おふた方とも、「学校教育」は「大量生産の機械部品をつくるところ」、
と言いたいわけですな。もちろん「大量生産の機械部品」が、良いかどうかの
価値観を論じるつもりはありません。社会には、それが必要な部門があるでしょうし。



ただ気にになるのは、それで大勢の人間が「食っていけるか?」ということ。
ミトラさんは、それについて、このようにおっしゃってます。


"我々が知る「学校」というのものは時代遅れなのです。学校は「崩壊」したわけではありません。よく「学校崩壊」というのがよく言われていますが、崩壊はしていません。造りはちゃんとしています。ただもう古くて使い物にならないのです"

(3:09ごろ)


「学校教育」とこれからの仕事をつなげてみれば、非常に興味深いテーマです。



【関連エントリ】


世界はひとつの教室 「学び×テクノロジー」が起こすイノベーション(予告編)



【参考文献】


リンダ・グラッドン
ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉 プレジデント社


ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉




2013年6月25日火曜日

世界はひとつの教室 「学び×テクノロジー」が起こすイノベーション(予告編)

カーン・アカデミーの創業者~サルマン・カーン氏





実はまだ読んでません(苦笑)。
ちゃっかり、アマゾンのアフィリエイト広告を、はりつけちゃってます。
先日、地元の図書館で、新刊本予約していたのが入荷されて、
これから受け取りに行くところです(だからブログの見出しは『予告編』)。



この本の著者は、サルマン・カーンさん。
教育業界の関係者ではすでに、かなりの有名人なのかもしれません。





「学校で宿題を家で授業」という教育革命






何をしている人かと言えば、コレ↓を作った人。



カーン・アカデミー





カーンアカデミー、算数、基本のかけ算







全て基本は英語ですが、最近、日本語に翻訳されているサイトも立ち上がってますね。
Youtubeで「カーン・アカデミー」と検索をすると、いくつか授業が出てきます。
(ちょっと、カタイ日本語が気になるが…。)



このカーン・アカデミーは、今
「学校で授業を家で宿題」という常識を
「学校で宿題を家で授業」という常識に、変えようとしています。




TEDでのプレゼンもどうぞ!





「Youtubeで教育革命?何でそんなことができるんだ?」と感じた、あなた。
何でかは、このTEDで行われた、カーンさんのプレゼンテーションを視聴してみてください。
カーン・アカデミーの創業の経緯なども語られています。








本書の読書感想文を書く前から、「ネタバレ」するようなプレゼンだと思いますが、
かなりおもしろい内容ですよ。



あ。でも本の方もちゃんと読んで、感想書きます(笑)



【関連エントリ】


世界はひとつの教室  「学び×テクノロジー」が起こすイノベーション







2013年6月18日火曜日

機械との競争

労働経済の一般常識について






本書を読むことをおススメしたいひとは、こんな人。


  • 若手・中堅のサラリーマン
  • 就活中の学生さん
  • 漠然と仕事の将来について考えている人
  • 年収が少しずつ減ることについて「Why?」と思っている人



【参考サイト】年収ラボ サラリーマン平均年収の推移






MACHINES! / eggrole






古典的なテーマ。技術の進化か?人間の労働力か?





著者は、本書でかつて人間だけができたはずの仕事の領域を、
加速度的に進化するコンピュータに、侵食されつつあるということを主張しています。
その主張を裏付けるように、アメリカの労働に関わる経済統計や情勢が、語られてます。




内容としては、かつて当ブログでも取り上げた、





あたりとよく似てます。
技術の進歩によって人間の労働力がいらなくなり、失業が増加するというのは、
今も昔も変わらぬ古典的なテーマですね。働く人にとって、本書を含めて、
この手の本は、1度は目を通しておいた方が、良いと思います。




山形浩生の「経済のトリセツ」では





個人的には、この古典的なテーマについては、他の本で何度も目を通しました。
そのせいか、目新しいと感じるものはありませんでした。



「機械が仕事を奪う」→「だからどうする」という対策についても、
押さえるべきところ、主張するべきところは、なされていると思います。
(「教育投資を充実させよ」とかいうところ)。



ただ、気になるのはこの方の書評です(山形浩生 の「経済のトリセツ」)
この方は、「機械が仕事を奪う」→「だからどうする」にプラスアルファの対策として、
技術の変化に伴って、社会のシステムをどのように変えていくのかについて、しっかり
言及されています(具体的には再分配システム)。



この方が、挙げておられる著作も合わせて読んでみたいと思います。
単にラッダイド運動(機械打ちこわし)に走ってもあまり意味がないような気がするので。



【参考文献】



ポール・クルーグマン 良い経済学 悪い経済学 (日経ビジネス人文庫)





W・ブライアン・アーサー テクノロジーとイノベーション―― 進化/生成の理論 みすず書房








2013年6月11日火曜日

企業が「帝国化」する アップル、マクドナルド、エクソン~新しい統治者たちの素顔

これをキッカケにいろいろ読んでください






夜中の疲れているときに読みました。ゲンナリしました。
私たちの生活に欠かせない、エネルギー、食糧、情報技術の
「ウラ側」
がこんな風になっているとは…。


  • ファーストフード→マクドナルド
  • エネルギー→マクドナルド・BP
  • 情報技術→アップル、Google、Facebook


情報技術については、なんやかやと普段から目にしているので、
「ウラ側」を見ることもあり、免疫ができているせいか、
驚きましませんでしたが、衝撃だったのはファーストフード。



人間の口に入る食肉が、「あんな」育て方をされて、
「こんな」加工のされ方をしているとは…。





帝国大厦 / zqtouch




「帝国」との正しい付き合い方





読み続けていると、「だったらどうしたらいいの?」という思いが、もたげてきます。
ざくっとしたところは、第10章でいくつか、述べられています。



  • 創造性を養う
  • 専門的な技能を身につける
  • 就職後も勉強を続ける
  • 外国語を習得する


etcetcetc…


要は、自分の頭で考え続けろ!っちゅーことですわ。




自分の頭で考えるためのヒント





ただ、新書サイズで紙幅も限られているせいか、この本1冊で
「どうにかする」ための、方法論やヒントも語りつくせないような気がします。



この本一冊読むだけでは、かえって頭が思考停止してしまうかもしれませんので、
以下の【関連エントリ】や【参考文献】も、同時に合わせて読むことをおすすめします。




【関連エントリ】


お金持ちになる方法はあるけど、お金持ちになってどうするの?
ともに戦える仲間のつくり方
働くことがイヤな人のための本



【参考文献】


ちきりん 自分のアタマで考えよう ダイヤモンド社


自分のアタマで考えよう




堀江貴文 お金はいつも正しい 双葉社






2013年6月9日日曜日

ネット上に学びの場を創る 情報共有が市民社会にもたらすもの

教育系ベンチャーの先駆け・e-教室について







ほんとうにいいの?デジタル教科書と同じく、岩波ブックトレットからの出版で、
しかも著者は同じく、一橋大学の新井紀子先生。本書の目次は、次のとおりです。


  1. 情報共有のすすめ
  2. 情報共有サイトで何ができるか
  3. 情報共有サイトをデザインする
  4. 「e-教室」と「WILL」-ケーススタディ
  5. 持続的な運営のために
  6. 「教育の機会」の現在


この本が出版されたのは、2003年です。10年前ならば「情報共有とは?」と言われても、
一般の人が、気軽に使えるものは、あまりなかったのではないでしょうか?





Working & learnig together / xdxd_vs_xdxd






「タダ」に近くなってきた情報共有のお値段






2013年の現在、情報共有のためのツールと言われると、
いくつか例を挙げることができます。





特に考えることなく、思いつきのまま書いても、4つも出てきました。
ちゃんと調べれば、もっと出てくるはず(多分)。



これだけ雨後の筍のごとく、ニョキニョキとグループウェアが誕生するのは、
記憶装置の容量の価格が、飛躍的に下がっているのも一因でしょう。




オンラインが当たり前の「通信添削」





それでは、こんな「大昔」の本には、読む価値はないのでは?
いいえ、そんなことはありません!通信技術としての「学びの場」に注目するのではなく、
教育技術としての「学びの場」に注目してください。






これらは、教育系のベンチャー企業の中でも、先生が生徒に対して、
課題を与えて、二人三脚で学習を深めていく「通信添削」のサービスに特徴があります。



ドットインストールもLarnistも、「e-教室」(ちょっとネーミングは古いが…)の
「子孫」のような存在です。Web上で通信添削サービスをするのって、
ずいぶん前からあったんですね…。



今、管理人は、Web上で通信添削サービスを企画しています。ネタはミクロ経済学で。



【関連エントリ】


ほんとうにいいの?デジタル教科書






2013年6月7日金曜日

独学という道もある

学習方法を見つけること自体が独学






本書の内容は、主に2つに分けることができます。


  • 慶應義塾大学・通信教育課程に進学した体験に基づく独学の方法について
  • 海外に在住した経験にもとづく多様な社会の在り方について


実は、著者の柳川範之さんは、先日当ブログでも書いた、
日本成長戦略40歳定年制 経済と雇用の心配がなくなる日 で、
40歳定年制を唱えている方です。



40歳定年制は、それ自体十分にスジの通ったものだと思います。
その原体験は、子どものころに目の当たりにしたブラジルでの、絶望的な格差や、
大学院に留学したプリンストン大学での経験にあることが、よくわかりました。






Feb 16/12 P is for pencil, pages and post-it notes / Jude Doyland




「ドツボ」にはまらないようにするためには…?






ただ、どちらかというと管理人が、注意して読んだのは、前者の独学の方法についてです。
ポイントをあげるとすると、次のような感じでしょうか。



  • ノートづくりのためのノートはつくらない
  • マーカーは引かない(引きすぎると後でどれが重要なとなのかわからなくなる)
  • 問題集はの問題は分からなかったら、すぐ答えを見る
  • テキストは2回読む
  • 同じようなことが書いている別のテキストも読む




独学というのは、誰もアドバイスしてくれる人がいません。
従ってどこが重要項目かは、すぐにはわかりません。やっていると、どれも重要に見えたり、
分からないことに時間が取られたりもします(いわゆる「ドツボにはまる」というやつですな)。




オンライン通信添削・ドットインストールについて






管理人は、今個人的に、経済学とプログラミング言語について、
全くの独学で学習しています。普段、1人でやっているので、
「ホンマにこれでええんか?」と思うようなことは、しばしばです。



そういうときに本書と出合い、「わが意を得たり」という心地になれました。
経済学やプログラミング言語と格闘しているうちに、知らず知らずのうちに、
これらの独学のスタイルが、自然と身についてしまったからです。



ちなみに、独学と言っても、プログラミング言語の方は、全くの独学ではありません。
最近、こんな通信添削サービスがあるので、現在受講中です。



ドットインストール 通信添削コース







これは、これで色々と有意義なことを感じることがあるので、
別の機会で別の本と絡め合わせて、書くつもりです。




【関連エントリ】


日本成長戦略40歳定年制 経済と雇用の心配がなくなる日
日本成長戦略40歳定年制 経済と雇用の心配がなくなる日 その2









2013年5月31日金曜日

学校を変えれば日本は変わる 強い国・日本は公立改革で生み出す

教育のICT(情報通信技術)とデジタル教科書について







管理人は、現在、Web上で社会人向けの通信添削サービスをできないか、
考えております。そのため、教材のネタとなる「ミクロ経済学」や、
インフラとなる「コンピュータ・ネットワーク」に関する技術を読み漁っています。



さらに最近では、それらにプラスして、「教育関係」の本についても、読み始めています。
教育関係の本を読むのは、いくつか目的があります。


  1. 教育産業は国内でどれぐらい市場規模があるか?
  2. 社会人のための通信添削サービスとしてどのような競争相手がいるか?
  3. オンラインの教育サービスに向いた教え方は、何か?(選択式、計算ドリルなど)





PowerPoint Karaoke / rmlowe




オンラインの教育サービスに向いた教え方





特に、3番目のオンラインの教育サービスに向いた教え方について、
ほんとうにいいの?デジタル教科書で書いたものと、重なるものがいくつかあります。
それらは、おそらくサービスの開発上、欠かせないものだと思いますので、書き留めておきます。


  • 横浜市教育委員会でネット上でのドリル問題を開発(P177)
  • 読み書き計算が、指で操作するiPadが向いているかどうか議論の余地がある(P178)
  • 板書はパワポで代替できる。浮いた時間は、先生の説明と生徒がノートにまとめることにあてる(P183)



管理人が目指しているのは、論述式問題に対する通信添削サービスなので、
そのサービスと教育のデジタル化が、どう結びつくかについての言及がなかったことは、
少し残念です。




体罰事件、君が代斉唱、ゆとり教育etc






ちなみに著者は、大阪府立和泉高等学校校長から、
大阪府教育長を歴任されている、中原徹さんと横浜市議会議員の伊藤大貴さんです。
そのせいか、本書では教育行政や教育と政治の問題について、紙幅が多く割かれています。




  • 体罰事件で露呈した問題の核心(P33)
  • 君が代斉唱時の口元チェック事件の顛末(P59)
  • 教育は政治から中立となり得るか(P63)
  • ゆとり教育か詰め込み教育か(P112)
  • 学校の先生は働き過ぎか(P196)



これらの話題に興味のある方にも、ぜひどうぞ!



【関連エントリ】


ほんとうにいいの?デジタル教科書
iTunes Uと大学教育 -Appleは教育をどのように変えるのか?









2013年5月26日日曜日

ほんとうにいいの?デジタル教科書

デジタル教科書は通信添削に向いているんじゃないの?





"デジタル教科書は、応用力をもって課題を解決していく人材を育てられるか"
(表紙より)



非常に「薄い」本なので、内容はデジタル教科書に関する、問題提起に絞っています。
もちろん「薄い」といっても、「読む価値がない」という意味ではありません。
デジタル教科書に関する問題は、理想的な答えなどすぐ出ない性質のものでしょう。



ということは、デジタル教科書をはじめとしたITを活用した教育サービスは、
さまざまな立場の人や思惑が交錯し、試行錯誤する市場経済に向いている
気がします。



何しろ国内の教育市場は2兆4000億円強で、このうちネット化されたサービスは、
わずか3%の675億円にとどまっているそうです。



有料ページで、購読者の方しか読めませんが、詳しくはコチラまで、どうぞ
日経ビジネス2013年4月29日・5月6日号 デジタル先生、教育市場を侵食





iPad / Sean MacEntee





デジタル教科書から見る教育の問題点






本書が意識しているのは、小学校高学年から中学生に関する学習で、
上記の日経ビジネスが意識しているのは、すでに学校を卒業した社会人の学習です。



年齢層に違いはあるものの、本書で提起されている
デジタル教科書の「問題」を意識をすることは、
とりもなおさず、教育ビジネスの拡大につながることだと考えます。



以下では、デジタル教科書に関して、「ソフトウェアから見た問題」と
「デジタルコンテンツと学びの質」について、列挙していきます。





「ソフトウェアから見た問題」と「デジタルコンテンツと学びの質」について




  • 問題点その1:

Web上のハイパーリンクやアニメーションは理解を促進するのではないか?(P30)

"課題となっているのは、文章を論理的に読み取ったり、抽象的な概念を理解したりする部分であり、そこで学力格差が生じている。学力格差が、具体と抽象の間の溝を飛び越える能力の格差に由来するのだとしたら、アニメーションやドリル型デジタル教材は学力格差を埋める上であまり役に立たない。"



  • 問題点その2:

オンライン上の無償サービスは、必ずしも教育に向けて設計されているわけではない(P35)

"たとえば、検索エンジンは、世界中の人々が適切な情報にアクセスすることでより深い世界理解にたどりつけるよう提供されているわけでは、ない。"



  • 問題点その3:

学習者の入力形式で圧倒的に多いのが「選択肢型」であること(P37)


"iPadの指を使ったマルチタッチによる入力などは真新しく感じられるが、基本的には「選択」の入力をスムーズにしたに過ぎない"



問題点を記述していると、デジタル教科書のメリットを最大限を生かためには、
昔から存在している通信添削の教育に、特に向いているのではないか?と考えます。
通信添削のノウハウをデジタル教科書に置き換えるのが良いのかもしれない。



ということは、問題作ったり、添削したり、学習管理するのは、
コンピューターの仕事ではなく、人間の仕事
ということになりますなぁ。




【関連エントリ】


学校を変えれば日本は変わる 強い国・日本は公立改革で生み出す
iTunes Uと大学教育 -Appleは教育をどのように変えるのか?





2013年5月25日土曜日

なぜ日本の大学生は、世界でいちばん勉強しないのか?

勉強することの効用について







タイトルを見て、「それはなぜか?」と読みすすめていくと、
「やっぱりな…」と思わずにいられません。


「勉強をしない大学生を生む負のスパイラル」(P2)


  • 採用担当者

学生はどうせ勉強してないから、面接ではバイトやサークルの話を聞くしかないんです。
正直、大学の先生にはもっと学生を鍛えてやってほしいです。

↑↓

  • 学生

就活で成績を見る企業はほとんどない。だったら楽に単位が取れる授業をとって、
面接でネタになるバイトやサークルに時間を割いたほうがいい。

↑↓

  • 大学教員

しっかり教育をしようとすればするほど学生が離れていく。
こんなことなら適当にやった方が楽だし、自分の研究に時間を使える。
そもそも、学生は就活にばかり熱心だから授業に興味をもってくれないんだ。



このようなねじれは当事者にしてみると、
「けっして良いとはおもっていない」けれど、「イヤな状態ではない」
(P127)ということになってしまいます。



その辺の詳しいところは、はこちらのサイトまでどうぞ
大学教育と就職活動のねじれを直し、大学生の就業力を向上させる会(NPO法人DSS)





West quadrangle at the University of Glasgow

West quadrangle at the University of Glasgow / euanfreeman





「脳みそに汗をかかせる」ためには?





管理人も、大学は卒業しましたが、本書のおっしゃるとおり、
「脳みそが汗をかく」ような勉強はしてません。お恥ずかしい限りです。
こんなブログを書いていてアレですが。



したがって本書で記されていることについて、今さら驚くことはありません。
もっとも、それはそれで非常に心許ないことですが。



じゃあ、どうすれば良いのでしょうかねぇ~。
これからどんどんコンピューターの頭は賢くなることが考えられても、
アホになることは考えられませんし。





「考える力」は「就業力」以外にも使えるか?






本書では、「大学教育と就職活動のねじれを直し、大学生の就業力を向上させる」ために
学業における「考える力」に注目しています。



なぜか?


”授業で扱うテーマは、「理解することも難しい」「一定の量の記憶も同時に必要」「論理的に考える必要がある」「概念的な問題も多い」「プロ中のプロである先生との対話」等々、頭を極限まで使わなければどうにもならないことばかりです。"


(P163 第3章「考える力」こそ日本を救う)



個人的には、その「考える力」を学生の就業力向上だけでなく、
「これはこうつながるんだ!」とか「フにおちた!」、「ピーンときた」など、
人間の感性や可能性の向上にもつなげたいもんです。



カーン・アカデミーとまた違った感じで、オンライン上で経済学の教育サービスを
展開できんかいな?と考えているもので。




【参考文献】


新井紀子 ほんとうにいいの? デジタル教科書 (岩波ブックレット)







2013年2月24日日曜日

過剰と破壊の経済学 「ムーアの法則」で何が変わるのか?

体育の授業から「ムーアの法則」を眺める



過剰と破壊の経済学 「ムーアの法則」で何が変わるのか?



この記事を読んでくださった読者の方は、中学校の体育の授業では、
どんなスポーツをされたいたでしょうか?


  • サッカー
  • 水泳
  • ソフトボール
  • バスケットボール

etc…etc…



管理人が通っていた公立中学校でも、これらの競技を行いました。しかし、中学1年の
1学期の授業には、辟易しました。なんと、学期間まるまる「行進練習」だったからです。




「太平洋戦争が終わって40年以上するのに、なぜ軍事教練?」




と、当時はぼんやり思っていましたが、最近になって理由が分かってきました。
要は、「上意下達のシステム」を徹底させるためであると。






マーチングバンド

1005_0179 / genbasu



軍隊の「兵士」と学校の「生徒」





別に、中学校で軍事教練をすることの、是非を考えたい訳ではありません。
思考や行動様式は、1940年代も1980年代も大して変わらん、ということを言いたかったのです。



  • 士官 →→→ 兵士(1940年代)
  • 先生 →→→ 生徒(1980年代)



なるほど「行進練習(軍事教練)」において、先生(士官)の指示に、
生徒(兵士)は逆らえません。20世紀の大規模製造業や軍隊のように、
「決められた時間・場所」に「大量の規格品」を送り届けるような
「型」を身につけさせるには、なかなか合理的な授業だったと思います。





「兵士」の役割が人間から半導体に





本書のテーマはズバリ、「ムーアの法則」で、何が変わるのか?ということですが、
結論を言えば、次の通り。半導体の価格が、億単位で下がり、「兵士」の役割を
人間にさせる必要が、なくなってきています。



"既存の権威や肩書きが意味を失ってすべての個人が対等に競争し、情報処理能力による所得格差が拡大する孤独な世界である"

(「終章 孤独な世界の中で」P204)



冒頭の部分に引っ掛けると、情報処理の方向性が、「逆流」するわけですな。




  • 士官 ←←← 兵士(2010年代ぐらい)
  • 先生 ←←← 生徒(2010年代ぐらい)



ついでに著者の池田さんは、放送業界(NHK)出身の方です。
そのせいか、情報処理の流れについて、放送局と一般市民の関係を捉えて、




  • YouTube ←←← 一般市民(2010年代ぐらい)



という具合になることも示されています(本書の出版は2007年)
最近、YouTubeで「メシを食っている」方たちも、いらっしゃることを考えれば、
なるほど納得の一冊です。




【関連エントリ】


半導体衰退の原因と生き残りの鍵
組織の限界