無条件で全員に対して個人単位で交付される所得
本書は概ね3部構成です。
現在の社会保障制度の問題点を明らかにした上で、
ベーシック・インカムという新しい制度の紹介や、
その財源論について、述べられています。
いわゆる負の所得税、給付つき所得税の税額控除と、
同じです(と個人的には思ってます)
ベーシック・インカムとは?
ベーシック・インカムの定義は、以下の通りです。
"交付にあたって資力調査や就労要件がない、無条件で全員に対して
個人単位で交付される所得のこと"
(P109)
要するに、高齢者でも、赤ちゃんでも、お金持ちでも、貧乏人でも、
日本国籍を有するだけで、最低生活費が支給されます。
たまに、「ベーシック・インカムがあると勤労意欲が削がれる」
という話が聞こえてきますが、本書ではそれを否定しています(P55)
都市近郊だと、月5万円程度の最低生活費をもらっているだけでは、
シェアハウスに閉じこもって、コンビニを往復するだけで終わり、
という感じなので、納得してしまいました。
ある意味、お金のかかる欲望(娯楽・レジャーなど)を満たそうと思えば、
ベーシック・インカムで支給される金額ではとても足りません。
大部分の人は、今まで通り働くことになるでしょう。
もちろん、月5万円の金額と言うのは、例であって、
本格的に導入するときには、この額になるかどうかは、分かりません。
(もちろん、国民的大議論になるでしょうが)
Saiwai Ward Office / mdid
現在の社会保障(年金制度)の問題点
- 世代間不公平の真実(P107)
社会保障給付の差が、8340万円(1940年生と2005年生比較)となっているようです。
かなり衝撃的な表です。
ベーシックインカムの財源論
- 一般会計予算の50兆円特別会計への繰入(P160)
- 公務員の人件費問題(P212)
一般歳入の使途は、主に、国債償還、地方交付税交付金、社会保障給付の3つに
振り分けられ、かなり義務的、固定的となっているようです。
「どこの自治体も、地方交付税交付金がないと、8割とか9割は立ち行かなくなる」
かつて「平成の大合併」なるものが、ありましたが、
固定的経費の削減のための施策だったような・・・。
「平成の大合併」が、直接ベーシック・インカムにつながるか政策だったかどうかは、
分かりませんが、財務省のデータを調べてたら、こんなんが出てきました↓
「平成22年度公務員人件費について」 財務省
最近、何かとベーシック・インカムに関する話を聞くようになってきた感じです。
気になる方は、【関連エントリ】や【参考文献】も、ご参考までにどうぞ。
【関連エントリ】
おちゃらけミクロ経済学~ベーシックインカムとドラえもん
おちゃらけミクロ経済学~ベーシックインカムと「もしもボックス」
おちゃらけミクロ経済学~ベーシックインカムまとめ
【参考文献】
小飼 弾 働かざるもの、飢えるべからず。 サンガ
堀江貴文 まな板の上の鯉、正論を吐く (新書y)
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