2013年1月10日木曜日

働くことがイヤな人のための本

思考停止にならないようにするための本



働くことがイヤな人のための本




タイトルを見て、この本の感想を書こうとすると、
どこかから、「だから今どきの若いもんは…」は、というお声を頂戴しそうです。
ですが、本書は、『「だから今どきの若いもんは…」理論』を使って、


  • 働かない→×(ぺけ)
  • 働く→○(まる)


という、単純な善悪二元論を説いた本ではありません。



楽器を奏でて稼ぐ

Music is Life @ Djemaa el Fna / Vincent_AF




「働く」ことの定義



タイトルで、「働くこと」と使われているので、「働くこと」について、
簡潔に定義づけをしておきたいところです。しかし、著者の中島先生は、
「働く」という言葉について、「これだ!」と定義しているわけでは、ありません。



むしろ、全文を使って、「働くとは何か?」「仕事とは何か?」ということを考えるように、
読者に問い返しています。そして結論として、「答えはありません。自分で考えてください」
ということのようです。



管理人も、もちろんそのような、「問い」に対して、「これだ!」という答えは持ち合わせていません。
ただし、「働く= 雇用契約(就職)」だけではないと、感じています。



生きるための糧は必要!でも考えることをやめるな!




中島先生は、「働く」ために、何か「こうしなさい」ということは、言われません。
だからといって、全ての人間関係を断ち切って、「布団の中でひきこもっていてもいいよ」、
と言っているわけでもありません。



  • 日々の糧を得るために稼げ
  • カネという動機に純粋も不純もない
  • カネとやりたいことの間に生じる矛盾に苦しめ


これらの実践と思考訓練を通じて、
決して、思考停止に陥らないようにすることを、勧めていらっしゃいます。



中島先生が、最も主張したいことは、「働くこと」という、日常のテーマにもとづいて、
単純な思考様式に安住してはいけないという、メッセージです。


"微妙な襞(ひだ)に至るまでの正確に自他の人生を観察し、決して荒っぽく「こうだ!」と決めつけないこと、これは、じつはなかなか訓練の要ることだ。思考の「体力」のいることだ。だからこそ貴重なことであり、人生の力になるのだ"
(P159 5 「仕事と金」)



つまり、本書は、いざというときに、思考停止に陥らないようにするための教科書なのです。
ちなみに、中島先生によると、「生活の糧」を得るための手段は、こだわる必要がないとのことです。
労働力を売るもよし、才能を売るもよし、誰かの愛人になって、養ってもらうのも、よいそうです。



「働きかた」に対する考え方は、【関連エントリ】で紹介した
ニートの歩き方 ――お金がなくても楽しく暮らすためのインターネット活用法ニートの歩き方 ――お金がなくても楽しく暮らすためのインターネット活用法 の著書である、
phaさんと同じだと思います。




【関連エントリ】


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日本人というリスク
私が嫌いな10の人びと
孤独であるためのレッスン
ニートの歩き方 ――お金がなくても楽しく暮らすためのインターネット活用法





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