2013年12月3日火曜日

ニコニコ動画が未来を作る ドワンゴ物語

ヘンテコなように見えて実は読みが深い!





ニコニコ動画(ニコ動)といわれても、YouTubeのような動画投稿サイトに
ヘンテコな弾幕コメントを流す。そしてたまに有料の動画を流す…。
この本を読むまではそんな印象しかありませんでした。



けど、ニコ動は「ただ面白いから」、「Googleやfacebookがやってないから」だけではなく、
川上量生会長自身が、十分に計算してやっているサービスだということに、
本を読んでいいるうちに、気が付き始めました。




nico nico honsha / Dick Thomas Johnson





初期のころは社内に段ボールハウスもゴロゴロしてたか…





本書は、ニコ動を運営する株式会社ドワンゴの創業物語で、
パソコン通信時代からの「天才」プログラマー軍団もいれば、
ネットゲームしかできないような「廃人」たちも登場します。



必ずしも、川上会長が全面に紹介されている本ではありませんが、
会長の存在は、ひときわ目立っているように思います。



それは、「天才」とか「廃人」とか個性豊か(?)な集団の中で
極めてフツーでまじめで、極めて「読みが深い」存在であるからです。



「廃人」軍団の使い方




川上会長の「読みが深い」というのは、


  • ソフトウェア卸売会社の社員をしていたころに、競争力のない自社ブランドのモデムに通信ソフト、ブラウザソフトなどの「おまけ」をつけて大量に売りさばいたこと。

  • 2000年ごろに、社内ガバナンスができる「大人の管理職」を見つけてきて、代表取締役を後退してしまったところ。


などが挙げられますが、最も痛快だったところは、


単なるゲーム好きでプログラミングの知識もない、社会人生活もおぼつかない
自ら「廃人」を名乗るような青年たちに、セガから任された通信対戦ゲームの
開発を任せて、最終的に成功させてしまったことです。


"ゲームに勝つためには、とにかくロジックを磨かなければならない。ロジックが必要なゲームジャンルは、シミュレーションだけではない。一見、たんなる反射神経だけが必要なように見えるアクションゲームであっても、ゲームの応答性を計算し、インターフェイスをどう利用するのかといった知恵を絞る必要がある。そうした要素を全部計算して挑むのが、ゲームだ。(中略)だから「廃人」であっても、ゲームをやりこんでいるヘビーゲーマーだったら、きっとそういうロジックの能力があるし、ロジックが極限にまで鍛え上げられているはずだ"


(P98)








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