2013年3月20日水曜日

僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか?

「ブラック企業」対策法



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こんなタイトルを付けられると、「ホンマにいつまで続けなあかんねん…」
と思って本棚に手が伸びてしまいそうです。
星海社新書さんのタイトルの付け方は、サラリーマンのツボをついているように思います。




資本主義経済の仕組み




さてタイトルにある問いかけの答えは、「いつまでも続ける」です。
なぜなら、「僕たち」というのは、資本主義経済における労働者のことを指します。



資本主義経済というのは、常に利潤を最大化しようとする社会です。
そのためには、土地、資本、労働といった生産にかかわる費用は、
できる限り小さくしようとする法則が働きます。



「こんな働き方」というのは、長時間労働をしても、ずーっと給料が低いままであったり、
たとえ、世間相場より高い給料をもらっていても、大変な精神的苦痛を伴う働き方
ことを指します。




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しかし、資本主義経済は、常に利潤を最大化させる嗜好性があるため、
労働者個人の立場でどんなに頑張っても、給料も待遇も大して変わりません。



「労働もサービスの一種だから需要と供給の法則で給料の高い・低いは出てくるんじゃないの?」
とツッコミをいただきそうです。それはその通り。ただし需要と供給の法則は二次的な要因です。



あくまで労働という商品の価格は、「価値」でほとんど決まります。
「価値」という言葉は、マルクス経済学独特の用語で、本書のキーワードとなります(P49)
このキーワードが理解できれば、「フに落ちた」という感覚になります。




『資本論』と『金持ち父さん・貧乏父さん』





本書のベースとなっているのは、2冊の本です。





両書ともに資本主義経済の仕組みを説いた本ですが、結論が異なります。






本書は、どちらの結論が良いということは、示していません。
安易にストライキだ!とか、転職だ!とか、起業だ!とか、
を勧めるつもりはないからです(多少は、「金持ち父さん」よりの論調な気がするが…)。



むしろ、どのような仕組みや過程で、サラリーマンの給料が決まっていくのか?
矛盾に対処するためには、どのような心がけをすれば良いか?ということに
力点が置かれています。




【関連エントリ】


おちゃらけミクロ経済学 ブラック労働をするか否か その9
ともに戦える仲間のつくり方
マルクスる?世界一かんたんなマルクス経済学の本 改訂新版




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