2013年3月28日木曜日

弱くても勝てます 開成高校野球部のセオリー

『ガンガンいこうぜ』で都大会5回戦進出!








RPGの定番、「ドラゴンクエスト」シリーズではⅣから、AI戦闘モードというシステムがあります。
モンスターと遭遇したとき、主人公以外のキャラについて、
6種類のモードから選んで、自動戦闘をさせる機能です。


  1. 「みんながんばれ」→バランスの取れた平均的な戦闘
  2. 「ガンガンいこうぜ」→最大威力の攻撃手段で総攻撃をかける
  3. 「いのちをだいじに」→仲間が倒れないことを最優先
  4. 「じゅもんをせつやく」→呪文の使用を控えめに戦う
  5. 「じゅもんをつかうな」→呪文を一切使わずに戦う
  6. 「いろいろやろうぜ」→無意味な道具や呪文を使ったりする


本書でサブタイトルにも使われているとおり、
開成高校のセオリーとは、2番目の「ガンガンいこうぜ」です。
相手に10点取られることを前提に15点取って勝ち抜くという発想。
詳しい戦績はコチラまで(高校野球ドットコム)






DSC_0833 / alexxis





「弱くても勝てる」チームの例(フィクション)





個人的に「弱くても勝つ野球」と聞くと、投手をはじめとした、
守備力を鍛え上げる野球をイメージします。業界用語でいうところの「スミ1の野球」です。
具体例は、次のとおり(すべてフィクションの高校ですが)。





学校が、四国一の超進学校で、投手がスーパークレバーな投球術の持ち主。
予選の高知県大会では失点0。甲子園1回戦では、ドカベンこと山田太郎の明訓高校を、
あと一歩で完封勝利というところまで追い詰める。





遊撃手以外はコレといった選手がいないにもかかわらず、
投手がプロ野球のスカウトにひそかに指導を受け、夏の神奈川県大会で7試合に出場し、
防御率は0.60。県大会では、決勝戦まで進出する。






新設野球部のため、部員は1年生のみ。全体的に体も小さく、長打は期待できないが、
「投球バカ」ともいえるほどのコントロールの利いた投手を要としたチーム。
初の埼玉県大会では、5回戦進出を果たす。




セオリーは自ら考えよ!





このように「弱い」チームは、投手中心の守備力重視という定説(?)がある中、
なぜ開成は、超攻撃的な野球をするのか?それを読み取るのが、本書の面白さです。



普段は、当たり前すぎて見逃してしまうようなことについて、
あえて考え抜いて実践することが、「開成野球」の極意なのでしょう。



下の引用は、格上の相手と練習試合で10-5で勝った時にも関わらず、
試合内容に満足しない監督が、選手たちに対して激昂して出た言葉です。


"俺たちは小賢しい野球は、ちょっと上手いとかそんな野球はしない。自分たちのやりたいことを仕掛けて、そのやり方に相手を引っ張り込んでやっつける。俺達は失敗するかもしれない。勝つこともあれば負けることもあるが、勝つ可能性を高めるんだ!これなら国士舘や帝京にも通用するんだよ!"


(P52 2回理屈で守る)





【参考文献】


水島新司 大甲子園 文庫全17巻 完結セット (秋田文庫)






三田紀房 甲子園へ行こう! (1) (ヤンマガKC (884))







ひぐちアサ おおきく振りかぶって コミック 1-20巻 セット (アフタヌーンKC)









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