2012年12月6日木曜日

マルクスる?世界一かんたんなマルクス経済学の本 改訂新版


現代サラリーマンのための一般教養



マルクスる?世界一かんたんなマルクス経済学の本 改訂新版



管理人は、カール・マルクス資本論の原著は、
読んだことはありません。ですが要約本は今までに3冊読んでます。



残念ながら、資本論という大作の全体を通じて、
マルクスが言いたかったことは、何だったかは、実はよく分かっていません(汗)




世界史の教科書などを見ると、
この著作によって、後の「共産党宣言」につながったと書かれていますが、
いまいち、ピンときません。



ですが、部分的にでも、マルクス経済学を理解しておくと、
21世紀に生きる我々にも、関係するということが分かります。
例えば、「サラリーマンの給料の決まり方」を考えてみましょう。



マルクス経済学の利用方法




サラリーマンの給料は、
「労働力という商品を再生産するのに必要なものの合計」(P56)、
というもので決まります。マルクスは、これを「労働力の価値」と呼んでいます。



例えば、あるサラリーマンが、丸一日がんばって労働をすれば、
どんぶりでご飯を食べないといけない。ちょっとはビールも飲みたい。
そのあと、あったかい布団の中で寝たい。もし家族を養っていれば、家族にも同じことをさせたい。



従って、この場合は、



「どんぶり飯+ビール+布団」×(サラリーマン本人+家族人数分)



で給料が決まります。
現代風に言うと「基本給+家族手当」の給料、といったところでしょう。




ポイントは、この労働をした人が、
「いくらぶんの商品を作ったか」、という実績には関係がないことです。



マルクスは、この「いくらぶんの商品を作ったか」という実績のことを、
「労働力の使用価値」と呼んでいます。
現代風に言えば、「労働生産性」というところでしょうか。



要するに、「給料」≠「労働生産性」であるように、
「労働力の価値」≠「労働力の使用価値」なのです。




ひょっとしたら、皆さんは会社などで、



「オレはアイツより、がんばって働いているのに、
何でアイツの方が、給料が多いんだよ!」




ということを感じたことがあるかもしれません。
その原因はこういうところから、来ているのかもしれません。



このように、マルクスは労働の他にも、資本、利潤、商品、利子など、
資本主義に欠かせない要素の特徴を明らかにしています。
21世紀のサラリーマンにとって、知っておいたらトクするような知識が満載です。



マルクス経済学の読み方




本書は、かなり噛み砕いて説明されていますが、
マルクス経済学の要約本であるため、ふだん他の経済学分野や、会計学分野では、
あまり耳にしない単語が頻出します。



例えば、売上 - 原価 = 「売上粗利益(粗利)」と呼びますが、
マルクスは、「剰余価値」と表現しています。




最初は、慣れぬ言い回しに戸惑うかもしれませんが、
分からない単語に出くわしたら、索引を調べて、単語の意味を
よく理解してから、次に進んでください。



言い回しは異なりますが、概念自体は、他の経済学や会計学で
使われている概念とよく似ています、何回も読み直すと、
ストンとフに落ちるものが多いと思います。



じっくり腰を据えて、読むべき本だと思います。




【参考文献】


池上彰の講義の時間 高校生からわかる「資本論」池上彰の講義の時間 高校生からわかる「資本論」



池上彰の講義の時間 高校生からわかる「資本論」



超訳『資本論』 (祥伝社新書 111)超訳『資本論』 (祥伝社新書 111)


超訳『資本論』 (祥伝社新書 111)



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