2013年3月29日金曜日

隷属への道 ハイエク全集 I-別巻 【新装版】

「社畜への道」参考ガイド本







最近マイブームとして、「池上本」が来ています。
先日も世界を変えた10冊の本という本を読んで、感想を書きました。



読み返すと池上彰先生は、その「10冊」のうちの1冊として、
ミルトン・フリードマンが書いた資本主義と自由 (日経BPクラシックス)を挙げられています。




東京都庁

Tokyo Metropolitan Goverment Offices / Sjors Provoost





「こんなものいらない14項目」





資本主義と自由 (日経BPクラシックス)の要約として、池上先生は、
「こんなものいらない14項目」と見出しを打って、
「政府がやらなくてもいい仕事」という、フリードマンの主張を紹介されています(P248)。


  1. 農産物の買い取り保証価格制度
  2. 輸入関税または輸出制限
  3. 農作物の作付制限
  4. 家賃統制。物価・賃金統制
  5. 銀行に対する詳細な規制
  6. ラジオとテレビに対する規制
  7. 現行の社会保険制度
  8. 事業や職業に対する免許制度

etc…etc…


14個全部は書きませんが、つまりは「政府の仕事は最小限に」ということでしょう。
これらは比較的具体的な政策ですが、この考え方を
一つ上の上位概念で抽象的に表したのが、今回紹介する隷属への道 です。




「自由を破壊する保障」とは





隷属への道 は第2次世界大戦期の1944年に書かれた本ですが、
とても70年も前に書かれた本だとは思えません。今そこに起こっている事実が
述べられている感じがします。



特に現在の状況とダブる(と個人的に思う)のが、経済的保障に関する
「自由の下での保障」「自由を破壊する保障」についてです(P154)。


  • 「自由の下での保障」

限定的保障。社会の成員がいかなる場合でも、ある最低限度の生計を行える保障。


(イメージ)→日本国憲法25条・生活保護法



  • 「自由を破壊する保障」

特定所得の保障。ある特定の生活水準の保障。自分やその属している地位が、
他の個人や集団と比べて、相対的に変化しないという保障。


(イメージ)→「就活狂想曲」社畜




隷属への道と「就活狂想曲」





ハイエクに言わせると後者の「保障」は、ごく一部の例外(裁判官とか)を除いて、
社会の成員全員に与えられないし、また与えてはいけないという「特権」になるそうです。
「特権」を与えることは、「自由」に対する脅威となるからです。



なるほど、そうしてみれば、今の世相を皮肉ったような
この動画↓が、より興味深く視聴することができますね。
実際、自分も同じことをしていたので、とても考えさせられます(苦笑)。



アニメーション「就活狂想曲」







【関連エントリ】


戦前昭和の国家構想
1940年体制 さらば戦時経済増補版
世界を変えた10冊の本
フリードリヒ・ハイエク




【参考文献】


ミルトン・フリードマン 資本主義と自由 (日経BPクラシックス)







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