「社畜への道」参考ガイド本
最近マイブームとして、「池上本」が来ています。
先日も世界を変えた10冊の本という本を読んで、感想を書きました。
読み返すと池上彰先生は、その「10冊」のうちの1冊として、
ミルトン・フリードマンが書いた資本主義と自由 (日経BPクラシックス)を挙げられています。
Tokyo Metropolitan Goverment Offices / Sjors Provoost
「こんなものいらない14項目」
資本主義と自由 (日経BPクラシックス)の要約として、池上先生は、
「こんなものいらない14項目」と見出しを打って、
「政府がやらなくてもいい仕事」という、フリードマンの主張を紹介されています(P248)。
- 農産物の買い取り保証価格制度
- 輸入関税または輸出制限
- 農作物の作付制限
- 家賃統制。物価・賃金統制
- 銀行に対する詳細な規制
- ラジオとテレビに対する規制
- 現行の社会保険制度
- 事業や職業に対する免許制度
etc…etc…
14個全部は書きませんが、つまりは「政府の仕事は最小限に」ということでしょう。
これらは比較的具体的な政策ですが、この考え方を
一つ上の上位概念で抽象的に表したのが、今回紹介する隷属への道 です。
「自由を破壊する保障」とは
隷属への道 は第2次世界大戦期の1944年に書かれた本ですが、
とても70年も前に書かれた本だとは思えません。今そこに起こっている事実が
述べられている感じがします。
特に現在の状況とダブる(と個人的に思う)のが、経済的保障に関する
「自由の下での保障」と「自由を破壊する保障」についてです(P154)。
- 「自由の下での保障」
限定的保障。社会の成員がいかなる場合でも、ある最低限度の生計を行える保障。
(イメージ)→日本国憲法25条・生活保護法
- 「自由を破壊する保障」
特定所得の保障。ある特定の生活水準の保障。自分やその属している地位が、
他の個人や集団と比べて、相対的に変化しないという保障。
(イメージ)→「就活狂想曲」・社畜
隷属への道と「就活狂想曲」
ハイエクに言わせると後者の「保障」は、ごく一部の例外(裁判官とか)を除いて、
社会の成員全員に与えられないし、また与えてはいけないという「特権」になるそうです。
「特権」を与えることは、「自由」に対する脅威となるからです。
なるほど、そうしてみれば、今の世相を皮肉ったような
この動画↓が、より興味深く視聴することができますね。
実際、自分も同じことをしていたので、とても考えさせられます(苦笑)。
アニメーション「就活狂想曲」
【関連エントリ】
戦前昭和の国家構想
1940年体制 さらば戦時経済増補版
世界を変えた10冊の本
フリードリヒ・ハイエク
【参考文献】
ミルトン・フリードマン 資本主義と自由 (日経BPクラシックス)
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