「超ラッキー★」はオークションで!
ふと、「オークションサイトを始めた人の動機って何だろう?」と思い、
「オークション」というキーワードであれやこれやと検索をしていたら、本書が出てきました。
<>ぱっと見はよくある企業成功本で、なおかつ出版は2001年。
ちょっと「古いんとちゃうかな?」と恐る恐る開いて読み続けていると、
第2章で、創業者のピエール・オミディアさんの事業開始の動機のところに、出会いました。
オークションなう #lw10th / karinckarinc
「効率的市場」の追求
このオミディアさんが、オークションサイトをつくろうとした動機は、
なかなか「理にかなっていてると思います」。
"ある程度の数の人間を集め、各人が妥当と思える金額を提示する。それができれば製品の真価が明らかになり、究極的に公平なシステム、つまり買い手も売り手も万々歳というシステムがつくれるはずだ。
(「第2章イーベイの成功の軌跡」)
そう語る真意は、同じ情報にアクセスができて、同じ条件で戦うことができる平等な土俵、
効率的な市場をつくり出すにはどうしたらいいか、ということをずっと考えていたことに
行きつくようです。
「効率的な市場」の意味
効率的な市場という言葉は、ミクロ経済学で頻出する用語です。
その定義は、本書でも次のように示されています(P18)。
- 商品の特色がきちんと規格化されている
- 買い手の売り手の数が多い
- 提供される商品情報が広く知れ渡っている
- 売る側の言い値と入札価格がかけ離れていない
売り手と買い手の余剰
で、この効率的な市場を言葉だけで言うのもアレなんで、
イメージで示すとこんな感じになります↓
この例では、小麦が10t、10,000円のところで、需要と供給が一致しています。
ですが、このイメージで感じなのは、均衡点ではなく、その左側にある、
水色とピンク色の三角形の部分です。
効率的な市場で売買に参加する人は、「10t・10,000円」のところを目安に集まってきています。
売り手の中には、10tの小麦を作るのに、8,000円で作れる人もいます。
また買い手の中には、10tの小麦を、12,000円を支払うことができるという人もいます。
効率的な市場に集まって売買を行うと、
売り手は2,000円の「余剰感(生産者余剰・ピンク色)」が発生します。
一方、買い手の方にもやはり2,000円の「余剰感(消費者余剰・水色)」が発生します。
この「余剰感」を別の言葉に言い換えると、「超ラッキー★」という感覚でしょうか。
あるいは極めて主観的な「おトク感!」と言えるかもしれません。
オミディアさんが目指した(目指している)価値観とは、このような「超ラッキー★」や
「おトク感!」を広く世の中に示すことだと、管理人は考えます。
【関連エントリ】
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