Googleの思考を読み解くための入門書
今やWebで調べものする人にとって、その名前を知らない人がいないGoogle。
「ドットコム・バブル」と呼ばれ、有象無象のIT新興企業の一つにすぎないと思われていた
90年代半ばから、2010年ごろまでの隆盛について、「たったの」628ページにまとめられています。
もちろん、600ページというのは、相当分厚い本です。これに匹敵する分厚さとして、
ルイス・V・ガースナーがIBMの立て直しをはかった、巨象も踊るが、あったような気がします。
(それでも巨象も踊るは456ページでまだ「薄い」)
各章は、大体100ページ程度が、内容の濃さは、ハードカバーの1冊に匹敵するボリュームです。
このBloggerブログも含めて、「Google一本足打法」になってしまっている管理人にとって、
見逃せない内容ばかりですので、本書は各章ごとに感想を述べていきます。
Google Maps / bfishadow
01章グーグルが定義する世界 (概要)
- Googleの創業者→ラリー・ペイジ、セルゲイ・ブリン
- Amazonの創業者→ジェフ・ベゾス
一方は検索システム、一方はIT物流システムで伝説的な創業者となった起業家ですが、
両者には、共通した考え方があります。それは「人間の介入は不要」ということです。
すでに「ぐぐる」という日本語にまでなった、Google検索の発想は
1995年にブリンが映画の格付けランク付けを行うシステムに、遡ることができます。
そのときすでに、Google検索から「人海戦術」という考え方を、除いていたようです。
"人間が手作業で格付け作業を行うという手法は問題外だった。どう考えても実際的ではないし、そもそも人間の判断には信用が置けなかった。それよりは信頼性の高いデータに基づいて、よく考えられたアルゴリズムを効率的に実施した方が、よほど偏見のない、公平な結果を得られるはずだった"
(01章 グーグルが定義する世界 P31)
01章グーグルが定義する世界 (真意)
01章では、検索システムの他、ペイジ・ランク、機械翻訳など、現在のGoogleの隆盛を支える
基礎的な技術の開発と、それらに関わった創業期のスタッフの証言が、載せられています。
「人間の介入は不要」と書くと、何か人間が疎外されているように聞こえます。
しかし、よくよく文章を読んでいると、彼らが目指している理想のシステムは、
「コンピューターに使われる人間」ではなく、「コンピューターを使いこなす人間」を
前提としているような気がします。
それは、2012年4月に発表された、"Project Grass"にもその精神性が、
体現されていると思います。"Project Grass"とは、一言で言えば、
コンピューターが人間の「執事」をつとめさせるようなものです。
図書館の返却期限が来てしまったので、02章以降の感想文は、そのうち書きます!!!
【関連エントリ】
世界でもっとも強力な9つのアルゴリズム
【参考文献】
ルイス・V・ガースナー 巨象も踊る 日本経済新聞出版社
0 件のコメント:
コメントを投稿