2013年2月12日火曜日

グーグル ネット覇者の真実 追われる立場から追う立場へ

Googleの思考を読み解くための入門書



グーグル ネット覇者の真実 追われる立場から追う立場へ



今やWebで調べものする人にとって、その名前を知らない人がいないGoogle
「ドットコム・バブル」と呼ばれ、有象無象のIT新興企業の一つにすぎないと思われていた
90年代半ばから、2010年ごろまでの隆盛について、「たったの」628ページにまとめられています。



もちろん、600ページというのは、相当分厚い本です。これに匹敵する分厚さとして、
ルイス・V・ガースナーがIBMの立て直しをはかった、巨象も踊る巨象も踊るが、あったような気がします。
(それでも巨象も踊る巨象も踊るは456ページでまだ「薄い」)



各章は、大体100ページ程度が、内容の濃さは、ハードカバーの1冊に匹敵するボリュームです。
このBloggerブログも含めて、「Google一本足打法」になってしまっている管理人にとって、
見逃せない内容ばかりですので、本書は各章ごとに感想を述べていきます。





Google Maps / bfishadow




01章グーグルが定義する世界 (概要)




  • Googleの創業者→ラリー・ペイジ、セルゲイ・ブリン
  • Amazonの創業者→ジェフ・ベゾス


一方は検索システム、一方はIT物流システムで伝説的な創業者となった起業家ですが、
両者には、共通した考え方があります。それは「人間の介入は不要」ということです。



すでに「ぐぐる」という日本語にまでなった、Google検索の発想は
1995年にブリンが映画の格付けランク付けを行うシステムに、遡ることができます。
そのときすでに、Google検索から「人海戦術」という考え方を、除いていたようです。


"人間が手作業で格付け作業を行うという手法は問題外だった。どう考えても実際的ではないし、そもそも人間の判断には信用が置けなかった。それよりは信頼性の高いデータに基づいて、よく考えられたアルゴリズムを効率的に実施した方が、よほど偏見のない、公平な結果を得られるはずだった"

(01章 グーグルが定義する世界 P31)


01章グーグルが定義する世界 (真意)




01章では、検索システムの他、ペイジ・ランク機械翻訳など、現在のGoogleの隆盛を支える
基礎的な技術の開発と、それらに関わった創業期のスタッフの証言が、載せられています。



「人間の介入は不要」と書くと、何か人間が疎外されているように聞こえます。
しかし、よくよく文章を読んでいると、彼らが目指している理想のシステムは、
「コンピューターに使われる人間」ではなく、「コンピューターを使いこなす人間」
前提としているような気がします。



それは、2012年4月に発表された、"Project Grass"にもその精神性が、
体現されていると思います。"Project Grass"とは、一言で言えば、
コンピューターが人間の「執事」をつとめさせるようなものです。








図書館の返却期限が来てしまったので、02章以降の感想文は、そのうち書きます!!!




【関連エントリ】


世界でもっとも強力な9つのアルゴリズム



【参考文献】


ルイス・V・ガースナー 巨象も踊る巨象も踊る 日本経済新聞出版社


巨象も踊る




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