数字で会社を読む アマゾン・ドット・コム
「アマゾン」と聞いて、管理人のように、プログラミングやWebサービスを行った経験のない
人間からすると、「ないものがない」とまで評されるほどの、小売サイトをイメージします。
ですが、アマゾンについて紹介されている、雑誌や本を読むと、
その強さの源泉は、ITと物流に対する投資にあることが、分かるようになってきました。
(動画は、物流ロボット・キバシステムについて)
10年ぶりの最終赤字なのに株式時価総額は過去最高水準
本誌でも、純損益は赤字転落にもかかわらず、
株式時価総額は最高水準にあることを紹介されています。
理由は、アマゾンが、2012年の売上高と比較して、2016年頃の売上高は、約9倍になると想定し、
そのためのIT投資について、株式市場から評価されている結果のようです。
本誌では、ITを駆使した在庫管理能力とおすすめの商品を紹介するレコメンド機能※1
について評価をしています。
AmazonEc2がおこす「規模の経済」
IT投資や在庫管理能力、レコメンド機能もさることながら、
管理人は、アマゾンの「目の付けどころ」が評価できると思います。
(別にアマゾンの株式を保有しているわけではないが)。
Web関連業界ではすでに有名ですが、別事業としてAmazon Ec2※2という
仮想サーバー事業を行っています。アマゾンが自社のデータセンターで
運用するサーバーやストレージといったITインフラを、インターネット経由で行う「サービス」です。
いわゆる「クラウドサービス」とも言われますが、他の競合他社よりも従量課金に徹した
料金体系が受けて、2008年の春の時点で、小売サイトのトラフィックを上回っているようです。
当時、アマゾンのWebサービス担当幹部の方は、このような話をされています。
"EC2/S3※3のトラフィックが増えることで、ネットワーク回線のさらなるボリューム・ディスカウントが可能になり、本業であるAmazon.com(小売サイト)のネットワークコストも低下した"
(「クラウド大全 サービス紹介から基盤技術まで」第4章 AmazonEc2 P98)
要するに、アマゾンは、最初に投資した設備(小売サイトのサーバーなど)を遊ばせず、
他(Amazon Ec2)でも使って収益を稼ぎ、最初の固定費用の負担を、
拡散させることに成功したのです。いわゆる規模の経済といわれるものです。
※1 レコメンド機能
ユーザーや目当ての商品を以前に購入したユーザーの購買履歴などから、
求めているであろう商品を紹介するもの
※2 Ec2
アマゾンが運用する「仮想マシン」をユーザーが自由に利用できるサービス
※3 S3
アマゾンのオンラインストレージサービス(Amazon Simple Storage Services)
【関連エントリ】
ワンクリック―ジェフ・ベゾス率いるAmazonの隆盛
週刊ダイヤモンド 201212月15日号
週刊東洋経済 2012年12月1日号
【参考文献】
日経BP社出版局編 クラウド大全 第2版 サービス詳細から基盤技術まで
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