中央集権で決めるか?分散分権で決めるか?
"(日本国)憲法はどんなことがあっても、社会のために個人が犠牲になってはならないという価値観に立っているのです。それが個人の尊重なのです。(中略)日本国憲法は自由の基礎法です。そしてその自由の根底には個人の尊重、個人の尊厳という価値観があるということ―これをぜひわかっておいてください"
この引用は、先日、当ブログの記事にした、伊藤真の憲法入門―講義再現版第4版 から、
引用した文章です(P41「第1章 憲法総論」)。
日本国憲法は、なぜこれほど「個人の自由を尊重するのか?」と思っているところに、
本書が、管理人の手元に回ってきました。
日本国憲法が、「個人の自由」を尊重する理由は、さまざまな立場から、
述べることができるでしょう。しかし、せっかくの機会なので、フリードリヒ・ハイエクの
本から理由を求めてみることにしてみましょう。
London / Metro Centric
個人による創意工夫か?エリートによる統治か?
"個人主義がわれわれに教えることは、社会が個人よりも偉大であるのは、社会が自由である限りにおいてだけだ、ということである。社会が統制されあるいは指導されるときには、社会は社会を統制し指導する個人の知性の力に限定される。"
(P41 「第一章 真の個人主義と偽の個人主義」)
要するに、次のようなことが、言いたいのでしょう。
「社会が一部のエリートの頭脳によって統制するよりも、個人がおのおのの、
創意工夫で動いた方が、社会は発展するだろう。もし一部のエリートだけで、
社会が統治されると、社会の想像力はその人たちの想像力にまで縮んでしまうだろう」と。
中央集権システムと分散分権システム
言葉を置き換えると、ハイエクは、社会全体のシステムを採用するにあたって、
中央集権システムと分散分権システムのどちらが良いか?ということを、
問うているのだと思います。
ただ、「どちらが良いか?」ということになると、答えは「時と場合による」になるでしょう。
従って、管理人は【参考文献】であげた本にもとづいて、連想するキーワードを挙げることにします。
- 中央集権システム→軍隊・中国の人民公社・ソビエト連邦
- 分散分権システム→株式市場・インターネット・twitter
【関連エントリ】
隷属への道 ハイエク全集 I-別巻 【新装版】
プラチナデータ
フリードリヒ・ハイエク
市場を創る-バザールからネット取引まで
【参考文献】
ジョン・マクミラン
市場を創る―バザールからネット取引まで (叢書“制度を考える”) NTT出版
西條剛央
人を助けるすんごい仕組み――ボランティア経験のない僕が、日本最大級の支援組織をどうつくったのか ダイヤモンド社
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