y=f(x)が嫌いな人のためのすうがく
ミクロ経済学の教科書を読んでいると、初学者でも微分の考え方について理解することが、
求められます。といっても、エッセンスを理解するだけであれば、特にdx/dy(変化率)とか、
⊿(差分)などの記号を使わずとも、作図と文章による説明のみで可能です。
もっとも、ある程度説明に慣れてくると、むしろ数式を使ってくれた方が、
ありがたく感じるようになります(もちろん2次関数か、指数関数程度という条件は付きますが)。
そうなると必然的に、y=f(x)という数式を、見ることになります。
List-functions / Richard-G
「関数」と「函数」
管理人は、中学・高校時代に数学の授業で、
「「関数」はy=f(x)だ」ということを教え込まれたよう気がします。とにかくこれを覚えろと。
「何も考えずにとにかく暗記なんて!!!」、と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
ですが当時は、物事を一方向しか見れなかったので、仕方ありません。過ぎたことですし。
高校を卒業して、すでに20年近く経過し、経済学の本を見ると、
再びy=f(x)の数式に再会することになります。しかし、30も半ばを過ぎると、
意味づけのない記憶は定着しません。
そんな中、畑中洋太郎先生の、直観でわかる微分積分という本を知りました。
畑中先生も語られていますが、むしろ「関数」というより、実は「函数」という方が、分かりやすい。
- 「関数」→xとyの2つの数字の関係を示す
- 「函数」→xを何かの「函(箱)」にほおりこんだらyになる
「関数」の意味も決して間違いではないと思いますが、最近、プログラミングのコードを
見ていることが多く、「関数」よりも「函数」とした方がイメージがしやすいからです。
函数の代わりに「ふしぎなきかい」
本書は対象年齢が、4歳以上の絵本です。ただし上限は「おとなまで」と書いているせいか、
数学の考え方について、鋭く迫っています。もちろん、教科書でおなじみの
「y=f(x)」はまったく出てきません。「関数」と「函数」は、「ふしぎなきかい」と表現されてます。
- アゲハチョウ→→「?」→→イモムシ
- にわとり→→→→「?」→→ひよこ
- かえる→→→→→「?」→→おたまじゃくし
「?」で表された「ふしぎなきかい」は、「じかんをぎゃくにするきかい」と言えます。
言い換えると「ふしぎなきかい」は、畑村先生がおっしゃる、「函数」の「f( )」の部分にあたります。
非常にわかりやすい「すうがく」です。一生使えそうな考え方なので、
子供のときに読みたかった(苦笑)。「おちゃらけミクロ経済学」でも、微分について書いてます。
よかったらぜひ。
【関連エントリ】
直観でわかる微分積分
おちゃらけミクロ経済学 限界費用逓増の法則と微分 おまけ
【参考文献】
畑村洋太郎 直観でわかる微分積分 岩波書店
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