2012年12月3日月曜日

組織の限界

大量生産・大量流通に向いた組織とは?



組織の限界



最近、そのうち、自分で市場(マーケット)をつくってみたい!
「経済学・学習教材取引所(仮称)」を開設したい!
ということを考えています。



ということを考えると以下のキーワードが、
思い浮かびました。


  • 市場取引
  • 統制経済
  • オークション

もし、その取引所を開設するとなると、
これらのテーマについて、が必須となると考えたからです。



そんなごく個人的理由で、アマゾンを検索しまくったら、本書が出てきました。
ちなみに、これらは、ミクロ経済学でも、指折りの重要テーマです。



著者のケネス・アローさんは、市場取引の価格システムによる、
資源の再分配を、「ある程度」は、認めていますが、
手放しで認めているわけでは、ありません。



市場取引のように、個人が、てんでバラバラになって、意思決定するよりも、
個人が束になった組織の方が、任意の目的を達成しやすい、
と考えていらっしゃるからです。



ただし、個人よりも組織による意思決定する方が良い、
といっても条件が一つあります。それは、「情報伝達の縮約」(P59)です



要するに、組織が大きくなると、コミュニケーションコストが、
べらぼうにかかるから、組織構成員には、



  • 「余計なことを考えさせるな」
  • 「余計な知恵をつけるな」


ということを、述べられています。
なるほど、個々の成員が、専門分化している、
軍隊・警察・大企業のような組織には、ピッタリ当てはまる、と思いました。




軍隊

Bell Huey Chopper UH-1 "slide doors open" Zoom 1 / Andy_BB



しかし、これらの組織は、


  • 決められた場所に
  • 決められた時間通りに
  • 決められたヒト・モノを


「大量」に配置するのが得意な組織です。
つまり、規格品を「少品種大量生産」をするのには、向いています。
しかし、現代の多くの消費がそうであるように、個別のニーズについて、
「変品種変量生産」を行うのには、不向きな組織です。



もっとも、これらの組織は、いつの時代でも、それなりのニーズはありますので、
アロー先生の指摘が、必ずしも間違っているわけではないと思います。
ただ、社会全般の状況が、変わってきている、という感じがします。



本書で挙げられているfacebook のアプリ開発をしているような、
ベンチャー企業などのことには、触れられていません



ちなみに、アロー先生は、1972年に51歳という
史上最年少で、ノーベル経済学賞を受賞されています。



もし私の解釈が間違ってたらエライことです(((;゚Д゚)))))))
「みんなの意見」は案外正しい (角川文庫)「みんなの意見」は案外正しい (角川文庫)は、本書と反対の立場をとる本です。
一方、企業・市場・法 は、統制経済の有用性について、述べられていますので、
本書と同調する立場であると思います。



これらも深く読んでみようっと!



【関連エントリ】


過剰と破壊の経済学 「ムーアの法則」で何が変わるのか?
ビル・ジョイの冒険-ネットワークをコンピュータにした人びと
企業・市場・法


【参考文献】


ジェームズ・スロウィッキー 「みんなの意見」は案外正しい (角川文庫)「みんなの意見」は案外正しい (角川文庫)


「みんなの意見」は案外正しい (角川文庫)


ロナルド・H・コース 企業・市場・法 東洋経済新報社



 




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