コンピュータは仕事を奪うか?
本書は、オライリー・ジャパンのプログラミング関連の書籍です。
このシリーズは、表紙にリアルな動物の絵が使われています。
この表紙を見慣れてしまうとと、好みがきっちりと二極分化すると思います。
- 「よっっっしゃ!!!オライリーの新刊が出た♪♪♪」
- 「集合知?プログラミング?自分には関係ないわ~~~」
ですが、本書は、いろいろな意味ですべての「働くひと」に、オススメできる本でしょう。
Robot bipedo de fabricacion casera 2 / Gerardo Barbarov
「よっっっしゃ!!!オライリーの新刊が出た♪♪♪」と思った方へ
といっても、管理人は、IT企業でお仕事をしたり、プログラミングを自作したことはありません。
下手な説明をしても仕方がないので、裏表紙に使われている、本書の概要を、そのまま引用します。
"本書は現在、注目を集めている集合知(collective intelligence)をテーマにした書籍です。機械学習のアルゴリズムと統計を使ってウェブのユーザが生み出した膨大なデータを分析、解釈する方法を、基礎から分かりやすく解説します"
具体的には、Googleの検索システムの開発にも使われている、
Python(パイソン:日本語名 ニシキヘビ)というプログラム言語を、使用しながら解説しています。
具体的には、以下の考え方や、実際に用いられているコードなどについて、紹介されています。
- アマゾンの書籍推薦(○○の本を読んだ人は△△の本も読んでます)(2章)
- PageRank(ラリー・ペイジ※が開発したWebサイトのランキングシステム)(4章)
- 決定木学習(Webサービスの無料登録と有料登録の見極め)(7章)
※Googleの創業者の一人。「ペイジ・システム」と言われる。
「集合知?プログラミング?自分には関係ないわ~~~」と思った方へ
「コンピュータなんて関係ないわ~」と思う方にオススメするのは、本書で紹介されている、
集合知プログラミングが、かなり「人間の仕事」に進出してきているためです。
本書のキーワードのひとつに、人工知能(AI=Artificial Intelligence)による機械学習
というものがあります。「第1章 機械学習とは何か?(P3)」で、その内容が紹介されています。
"ほとんどすべてのデータは何らかのパターンを含んでおり、このパターンは機械によって一般化することが可能であるためである。一般化するためには、データのどの面が重要なのかを決定づけるモデルをトレーニングする"
この「トレーニング」の結果、人工知能(AI)が発達し、今ではすっかりおなじみの
「アマゾンの推薦本」や「Googleの検索システム」が、普及していることが分かります。
そして、興味深いのは、人工知能の進出が、アマゾンやGoogleのサービスにとどまらないことです。
"ところが、機械学習という技術が登場することにより、今まで専門家が経験と勘によって「帰納的に」判断してきた分類という仕事の領域に、コンピュータが参入してきたのです。しかも専門家が下した判断をコンピューターが覆すような事例も出てきたのです。"
(新井紀子 コンピュータが仕事を奪う 「第2章人間に追いつくコンピュータ(P75)」より)
税務署の専門職員であれば、脱税の摘発、美術館の学芸員であれば、
絵画の真贋判定など、従来であれば、言語化できない人間の「名人芸」は、
希少性が高く、労働の価値としても高いものでした。
しかし、集合知プログラミングの具体的内容や、【参考文献】の引用文を読むと、
近い将来、人工知能が、人間の「ワザを盗んで」しまいそうな気がします。
それだけに、人工知能は「今、どれぐらいのことができるのか?」が、非常に気になります。
集合知プログラミングの「読み方」
全文を読むためには、Pythonの知識が必要です。
従って、Pythonの素養がないと、途中で辛くなって、読めなくなると思います。
従って、プログラミングに特に興味のない方が、注意して読むべきところは、以下の5点です。
- 目次
- 訳者まえがき
- はじめに
- 第1章
- 各章のまえがき
これらだけなら、1時間半から2時間で、読むことができると思います。
「Pythonについて、ちょっと勉強してみたいな?」と思われる方は、こちらまでどうぞ↓
ちなみに、管理人もこのサイトで、プログラミングについて学習中です。
3分動画でマスターする初心者向けプログラミング学習サイト~ドットインストール Pythonの基礎
【関連エントリ】
世界でもっとも強力な9つのアルゴリズム
【参考文献】
新井 紀子 コンピュータが仕事を奪う 日本経済新聞出版社
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