2013年1月11日金曜日

集合知プログラミング

コンピュータは仕事を奪うか?



集合知プログラミング




本書は、オライリー・ジャパンのプログラミング関連の書籍です。
このシリーズは、表紙にリアルな動物の絵が使われています。
この表紙を見慣れてしまうとと、好みがきっちりと二極分化すると思います。


  • 「よっっっしゃ!!!オライリーの新刊が出た♪♪♪」
  • 「集合知?プログラミング?自分には関係ないわ~~~」


ですが、本書は、いろいろな意味ですべての「働くひと」に、オススメできる本でしょう。




人工知能の申し子・Robot

Robot bipedo de fabricacion casera 2 / Gerardo Barbarov




「よっっっしゃ!!!オライリーの新刊が出た♪♪♪」と思った方へ




といっても、管理人は、IT企業でお仕事をしたり、プログラミングを自作したことはありません。
下手な説明をしても仕方がないので、裏表紙に使われている、本書の概要を、そのまま引用します。


"本書は現在、注目を集めている集合知(collective intelligence)をテーマにした書籍です。機械学習のアルゴリズムと統計を使ってウェブのユーザが生み出した膨大なデータを分析、解釈する方法を、基礎から分かりやすく解説します"


具体的には、Googleの検索システムの開発にも使われている、
Python(パイソン:日本語名 ニシキヘビ)というプログラム言語を、使用しながら解説しています。
具体的には、以下の考え方や、実際に用いられているコードなどについて、紹介されています。


  • アマゾンの書籍推薦(○○の本を読んだ人は△△の本も読んでます)(2章)
  • PageRank(ラリー・ペイジが開発したWebサイトのランキングシステム)(4章)
  • 決定木学習(Webサービスの無料登録と有料登録の見極め)(7章)

※Googleの創業者の一人。「ペイジ・システム」と言われる。



「集合知?プログラミング?自分には関係ないわ~~~」と思った方へ




「コンピュータなんて関係ないわ~」と思う方にオススメするのは、本書で紹介されている、
集合知プログラミングが、かなり「人間の仕事」に進出してきているためです。



本書のキーワードのひとつに、人工知能(AI=Artificial Intelligence)による機械学習
というものがあります。「第1章 機械学習とは何か?(P3)」で、その内容が紹介されています。


"ほとんどすべてのデータは何らかのパターンを含んでおり、このパターンは機械によって一般化することが可能であるためである。一般化するためには、データのどの面が重要なのかを決定づけるモデルをトレーニングする"


この「トレーニング」の結果、人工知能(AI)が発達し、今ではすっかりおなじみの
「アマゾンの推薦本」「Googleの検索システム」が、普及していることが分かります。
そして、興味深いのは、人工知能の進出が、アマゾンやGoogleのサービスにとどまらないことです。


"ところが、機械学習という技術が登場することにより、今まで専門家が経験と勘によって「帰納的に」判断してきた分類という仕事の領域に、コンピュータが参入してきたのです。しかも専門家が下した判断をコンピューターが覆すような事例も出てきたのです。"
(新井紀子 コンピュータが仕事を奪う コンピュータが仕事を奪う「第2章人間に追いつくコンピュータ(P75)」より)



税務署の専門職員であれば、脱税の摘発、美術館の学芸員であれば、
絵画の真贋判定など、従来であれば、言語化できない人間の「名人芸」は、
希少性が高く、労働の価値としても高い
ものでした。



しかし、集合知プログラミングの具体的内容や、【参考文献】の引用文を読むと、
近い将来、人工知能が、人間の「ワザを盗んで」しまいそうな気がします。
それだけに、人工知能は「今、どれぐらいのことができるのか?」が、非常に気になります。



集合知プログラミングの「読み方」




全文を読むためには、Pythonの知識が必要です。
従って、Pythonの素養がないと、途中で辛くなって、読めなくなると思います。
従って、プログラミングに特に興味のない方が、注意して読むべきところは、以下の5点です。


  • 目次
  • 訳者まえがき
  • はじめに
  • 第1章
  • 各章のまえがき


これらだけなら、1時間半から2時間で、読むことができると思います。
Pythonについて、ちょっと勉強してみたいな?」と思われる方は、こちらまでどうぞ↓
ちなみに、管理人もこのサイトで、プログラミングについて学習中です。


3分動画でマスターする初心者向けプログラミング学習サイト~ドットインストール Pythonの基礎



【関連エントリ】


世界でもっとも強力な9つのアルゴリズム



【参考文献】


新井 紀子 コンピュータが仕事を奪うコンピュータが仕事を奪う 日本経済新聞出版社


コンピュータが仕事を奪う




0 件のコメント:

コメントを投稿