この世の「富」がつまった半導体
管理人は普段、twitterで中央大学・理工学部の竹内健先生のつぶやきをフォローしています。
そのつぶやきを見ていると、毎日のように、半導体や半導体メーカーのことが触れられています。
個人的には、半導体関連の産業で働いたことはありませんので、何か特別な思い入れが、
あるわけではありません。どちらかというと、ルネサスエレクトロニクスやエルピーダメモリの
ことで、騒がれている半導体メーカーが、野次馬根性で気になったので、本書を読んでみました。
Dynamic Random Access Memory / Dick Thomas Johnson
Mr.工場長が紹介する「富」のすべて
著者は、東京大学工学部物理工学科を卒業後、日本電気(株)で
半導体関係業務に従事し、半導体事業グループの統括部長、主席技師長を
歴任されています。いうなれば、日本の半導体関連産業における、「Mr.工場長」です。
それだけに、誰の目にも入る半導体の工場建物のことから、
微細な埃やシリコンの元素のことまで、まさしく「半導体工場のすべて」が紹介されています。
管理人は、本書を2時間ぐらいで読みましたが、全文を読んでいるわけではありません。
まともに読むと、数時間やそこらで読み終わることはない、と思います(苦笑)。
全部読んだのは、見出しぐらいで、読んだというよりも「見た」という表現の方が適当です。
ウェーハの熱処理や配線の象嵌細工技術など、記憶に残るかどうかも怪しいものですが、
それでも「頑張って」読みました。
知恵こそこの世の「富」
部分的には分からないことが、たくさんありましたが、全体的には、読んで良かったと思います。
(本当は半導体の仕組みとかを、子どもに説明できるぐらい読めたらいいのだが、
そのレベルに達するには、理工系の大学に入学しないといけないだろう(泣))
なぜなら、半導体製品や工場も、もちろんそうですが、製造システムや
近頃よく報じられている、半導体産業の凋落まで含めて、
半導体には「国の富」が集積されていることが、よく分かったからです。
半導体には原材料の選定、微小化技術、関連法規の徹底、資源のリサイクル活用など、
「人間の知恵」が、見事に結集されています。個々の製品が売れるかどうかは別にしても、
このような技術の粋が、この世の中に存在していることを知っただけでも、
とてもトクした気分になれます。
ちなみに、「それで半導体って何するものなの?」という方には、【参考文献】にあげた本を
おすすめします。もちろん本書でも、非常に丁寧に説明がなされてますが、【参考文献】の
説明の方が、「ざっくり感」があり、人によってはこちらのほうが、良いかもしれません。
【関連エントリ】
デフレーション
プロセッサを支える技術 果てしなくスピードを追求する世界
【参考文献】
竹内 健 世界で勝負する仕事術 最先端ITに挑むエンジニアの激走記 (幻冬舎新書)
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