2013年1月18日金曜日

そうだ葉っぱを売ろう! 過疎の町、どん底からの再生

経済成長のヒミツ教えます!



そうだ葉っぱを売ろう! 過疎の町、どん底からの再生



昨年から今年のはじめにかけてデフレの真犯人 脱ROE〔株主資本利益率〕革命で甦る日本
という本と、年金問題は解決できる! 積立方式移行による抜本改革、という本の読書感想文を
書きました。



2つの本の、「合わせ技」として結論を申し上げると、公的年金の問題も、株式会社の問題も、
「未来への期待を担保にして、経済成長できるかどうか」というところにあります。



ただし、その経済成長のための具体的な方法というのは、述べられていません。
各分野で、それぞれ考えてくださいということでしょう。



そんな中、そうだ、葉っぱを売ろう! 過疎の町、どん底からの再生そうだ、葉っぱを売ろう!  過疎の町、どん底からの再生 では、
その経済成長についての具体的な方法が、「一つの例」として述べられています。
経済成長というと、なんだか抽象的な言い方ですが、
要は、「自分たちの生活が良くなる!!!」ということぐらいに、思っておきましょう。




葉っぱ

DSC01020 / Higuma H



徳島県・上勝町にみる経済学の原理




結論部の第7章を読むと、そのものずばり、「成功のヒミツ」が、述べられています。
ここだけを切りだして、「ビジネス成功本」の一冊として、取り上げることも可能です。



ただ、本書は、「経営センス」よりも「経済センス」の方が、さらに鋭いと思います。
サブタイトルにあるように「どん底」だった町が、再生できたのは、
経済学のテキストで最初に出てくる、市場取引のしくみを、利用したことです。



市場取引のしくみと言っても、田舎であり余っている「葉っぱ」を、
都会で必要としている人に、付加価値をつけて取引したというだけです。
文字通り、「葉っぱをおカネに変えた」という話です。
ただし、変えたのはタヌキやキツネではなく、人間だったというオチがつきますが(笑)。



中学校や高校の副読本としてどうぞ




「取引したというだけ」というのは、「な~んだ、それだけか!」といって侮っている
という意味ではありません。むしろ、実は学校で教えられるぐらい「標準的」なこと、
であると思ったためです。



【参考文献】にあげた本は、大阪大学の大竹先生が書かれた、
経済学の初歩的なエッセンスを紹介した本です。



この本では、文部省の学習指導要領によって、中学校の公民科や高校の政治・経済で
学習する経済学では、「市場の失敗」のことについて、力点が置かれ、
市場での「取引利益」については、ほとんど教えられないことが、
明らかにされています(P71~78)。



本書の、そうだ、葉っぱを売ろう! 過疎の町、どん底からの再生では、
「取引の利益」によって町が、豊かになっていくさまが描かれています。



単に物質的な豊さにとどまらず、雇用・福祉・教育まで、町(徳島県・上勝町)の
いたるところにまで波及している様子が、分かりやすい文章で述べられてます。
どうすれば、「自分たちの生活が良くなる!!!」が、よく分かります。




【関連エントリ】


限界集落株式会社
デフレーション "日本の慢性病"の全貌を解明する
デフレの真犯人 脱ROE〔株主資本利益率〕革命で甦る日本
年金問題は解決できる! 積立方式移行による抜本改革



【参考文献】


大竹文雄 競争と公平感―市場経済の本当のメリット (中公新書)競争と公平感―市場経済の本当のメリット (中公新書)


競争と公平感―市場経済の本当のメリット (中公新書)



木下 斉 まちづくりの「経営力」養成講座まちづくりの「経営力」養成講座 学陽書房



まちづくりの「経営力」養成講座


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