すべての人のためのサバイバル教養書
本書の著者は、藤沢数希さんです。
ブログ・金融日記や、外資系金融の終わり―年収5000万円トレーダーの悩ましき日々と同じく、
大変読み易く、タイトル通り、広い読者層を対象にしていると思います。
藤沢さんが、本書でよりどころとしている、マクロ経済学の知見は、
実際に仕事をしたり生活をしていく上で、大変役に立つものです。
その分析の鋭さと、文章の分かりやすさは、私たちの生活を、
より興味深いものへと、引き込んでくれるでしょう。
通常、マクロ経済学の初学者用のテキストは、400~500ページ分ぐらいの記述が、
なされていますが、本書の内容は、現代のテーマに即しつつ、200ページちょっとで収まっています。
ちなみに、経済学のテキストだとお値段は、4,000円~5,000円ぐらいするものですが、
本書のお値段は1,680円で、お財布にとてもやさしいのも、特徴です(笑)。
Earth / tonynetone
経済学の講義を取っている大学1~2年生の方へ
大学生の方は、どの学部に在籍していても、ひょっとしたら一般教養科目として、
マクロ経済学の講義を、選択していらっしゃるかもしれません。
本書は、マクロ経済学のテキスト一冊分の内容が網羅されています。
もし、マクロ経済学の講義で単位を落としそうになったら、
アマゾンあたりで、この本を取り寄せてみてください。
レポートや試験対策として、丸写しか丸暗記するだけで、
「良」または「B」ぐらいの成績が取れると思います。
(大学生の成績評価が、「優」・「良」・「可」・「不可」または「A」・「B」・「C」・「D」として)。
就職活動をされている学生さんや若手ビジネスパーソンのみなさんへ
なんとなく、マクロ経済学の必要性や、世の中の仕組みに対する疑問を、
感じていらっしゃるかもしれません。その感覚は、なかなかすばらしいものだと思います
「まえがき」と「第1章マネーは踊り続ける」をお読みになれば、
その感覚が、さらに研ぎ澄まされるでしょう。
第1章には、数年前の話ですが、「ライブドア粉飾決算問題」や
「村上ファンド事件」についての経緯が、説明されています。
ひょっとしたら、これらの出来事を遠い世界ことのように、思われていたかもしれません。
ですが本書は、それらを身近な就職問題や職場の問題に、感じさせてくれます。
学生でも若手のビジネス・パーソンでもない方へ
それでも、「全文読むほどの時間はない」とおっしゃる方も、いらっしゃるでしょう。
「まえがき」と「第5章もう代案はありません」だけでも、読むことをオススメします。
- 解雇規制
- 賦課方式の公的年金
- 自由貿易
- 社会を豊かにさせる方法
- 教育
などなど、「これでもか!」というぐらい、「教科書にそった」処方箋が、述べられています。
興味のあるところを、「つまみぐい」するだけで、今見えてる世界が変わるでしょう。
ちなみに管理人は、本書に触発されて【参考文献】であげた本に挑戦中です。
【関連エントリ】
ミクロ経済学 1 市場の失敗と政府の失敗への対策
デフレの真犯人 脱ROE〔株主資本利益率〕革命で甦る日本
外資系金融の終わり―年収5000万円トレーダーの悩ましき日々
【参考文献】
カーメン・M・ラインハート ケネス・S・ロゴフ
国家は破綻する――金融危機の800年 日経BP社
0 件のコメント:
コメントを投稿