流通業界の「悪魔」か?「守護神」か?
このところ、当ブログでは、何かとアマゾンについて、
言及することが多くなりました。
週刊東洋経済 12月1日号や、週刊ダイヤモンド12月15日号の特集においてもそうですが、
アマゾンの存在については、その価値判断が、分かれると思います。
それは、人によって利害関係や立場が、異なるからでしょう。
最終消費者には、「神様」に見えても、「中間業者」から見れば、
「鬼」のような存在なのかもしれません。
最初の目次を読むだけで、イヤな顔をするひとも大勢出てくると思います。
それゆえ、アマゾンのことを、東洋経済では「流通モンスター」と呼び、
本書では、「ITエイリアン」と呼んでいます。ちなみに、ジェフ・ベゾスCEO自身は、
「善意の火星人」(P59)と呼ばれたりしてます。
MiNe-KissX_100-0280H / MiNe (sfmine79)
本書は、そんなアマゾンを立ち上げた、ジェフ・ベゾスCEOの半生記です。
ベゾスの人となりや、1994年に創業したアマゾンの社史を中心に、話が展開していきます。
この中で、管理人が特に注目したのは、
ベゾスCEOが、「技術に非常に明るい」ということです。
自身も、アマゾンを立ち上げる前は、金融サービス会社に在籍し、
銀行間取引の通信サービスの業務に従事していたそうです。
そのせいか、自身が技術の現場に立ってなくても、
貪欲に知識を吸収する姿勢が、印象的です。
"(アマゾンの社員のひとりである)ウェインゲートはデータマイニングが
専門のコンピューターサイエンティストであり、ベゾスがデータマイニングを
理解してくれる、理解できない部分もさっと学んでくれるのがとてもうれしいと言う"
(P217 第14章『おかしな笑い方をするクールな男』より)
このような創業者の前身と、考え方をして、アマゾンを単なるネット通販企業ではなく、
「IT企業・物流企業」に押し上げている、と考えています。
ここまでくると、なんだかベゾスCEOは、技術のことばっかりで
ユーモアのセンスに欠けた人間に見えるかもしれませんが、
そうではないエピソードもあります。
"アマゾンを立ち上げたころのことだが、毎週、売れた本の中から、おかしなタイトルの本を社員に選ばせ、一番おかしなタイトルを取り上げた社員に賞を与えていた"
(P226第15章『では、ベゾスはどういうマネージャーなのだろうか』)
そのとき受賞した作品は、以下の通りです。
- 『イルカ向け手法を応用した金魚の訓練法』
- 『自分の国のはじめ方』
- 『友だちのいない暮らし』
あまりにバカバカしいタイトルなので、バカうけしました(笑)
【関連エントリ】
今週の週刊ダイヤモンド2013年2月16日号
週刊ダイヤモンド 201212月15日号
週刊東洋経済 2012年12月1日号
【参考文献】
週刊 ダイヤモンド 2012年 12/15号 [雑誌]
週刊 東洋経済 2012年 12/1号 [雑誌]
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