コースの定理とジョイの法則
先日、ロナルド・H・コースの「企業・市場・法」という本の
読書感想文を書きました。はっきりいってどちらの本も、一般受けしない本だと思います。
こんなマニアック本をわざわざ読んだ理由は、
どこかの本で、コースの定理とジョイの法則の比較について、述べられていたからです。
- コースの定理
市場では、情報を伝達するための、取引費用が存在する。
伝統的な大規模組織では、物事を自己完結的に処理した方が、コストが安く上がる。
- ジョイの法則
ネットワーク上では、情報を伝達するための、取引費用は存在しない。
大きな企業でも、小さな個人でも、ネットワークという分権的な組織の前では、
一つの神経細胞にすぎない。
ニコニコ動画 「アイドルマスター」近傍のタグ共起ネットワーク / kynbit
本書は、プログラミング言語に関する専門用語や、
哲学、論理学、果ては生物学まで、様々な分野から、
分散化システムの可能性や有用性について、述べられています。
ですので、ある程度何かの目的をもって読まないと、
読み続けるのが、結構つらい本だと思います。
個人的には、自分で「市場(学習教材の販売市場)」をつくってみたい、と考えています。
従って、どうやったら、そんな市場が、「人工的につくれるか?」という視点で読みました。
残念ながら、「これをやれば売買市場ができる」、というところは、
つかめませんでしたが、「何となくできそうだ」という可能性は、感じることはできました。
様々な分野のことについて、幅広く述べられていますので、
大学生の一般教養書に良いのではないかと思います。
ダサいタイトルと、装丁を作り直せば、結構ヒットするでしょう(笑)
【参考文献】に上げた本は、一見関係なさそうですが、
市場経済を信奉する、ハイエクの考え方は、
ジョイの法則を、裏付けるような内容だと思います。
【関連エントリ】
企業・市場・法
組織の限界
【参考文献】
ラニ-・エーベンシュタイン フリードリヒ・ハイエク 春秋社
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