2012年12月22日土曜日

脳を鍛えるには運動しかない!-最新科学でわかった脳細胞の増やし方

「サザエさん症候群」でお悩みの方は運動をしましょう



脳を鍛えるには運動しかない!-最新科学でわかった脳細胞の増やし方


本書によると、我々の脳には、主に次の2つの特徴があるようです。

  • 脳は元々、我々の祖先(10万年ぐらい前の)が、サバンナを駆け回って動物を狩ることができるように、四肢の筋肉に対して命令ができる。
  • 脳は、ニューロン(神経細胞)とシナプス(神経細胞間の接合部)を通じて、化学物質を放出して喜怒哀楽の感情と、それに伴う行動を命令する。

これらの特徴にもとづいて、著者の主張をまとめると、

  • ストレス
  • うつ
  • 加齢
  • ADHD(注意欠陥・多動性障害)

などにおいて、「認知行動の歪み」が生じても、
「運動」によって、認知行動が回復する
ということです。
ちなみに、【参考文献】に挙げた本でも、同様のことが述べられています。


「認知行動の歪み」と運動



「認知行動の歪み」とは、脳内から発せられる化学物質に変調をきたし、
緊張や不安の状態になくても、常にその状態にいると勘違いし、
極度の不安・気分の落ち込み・記憶力低下などの状態になることです。



しかし、少々キツめの運動すれば、「認知行動の歪み」は治るようです。
例えば、「エアロバイクで最高の負荷をかけ、30分間こぎ続けるような運動」をすると、
脳は、ストレスなどによって破壊されたニューロンとシナプスの周りに、
新たなニューロンとシナプスを築き始め、再び活性化するようです。



スポーツジムのエアロバイク

"Newer" bicycles / hildgrim



運動の効用



著者は、もちろん「認知行動の歪み」において、抗うつ薬、睡眠薬、抗不安剤
などの服薬を止めるよう、勧めていうわけではありません。
これらの薬物療法は、「認知行動の歪み」の「負のスパイラル」を止めるのに有効です。



ただ、著者は、その薬物療法の上に、キツめの運動をすることによって、
「認知行動の歪み」に対して使われているエネルギーを、
「本来の認知行動」に置き換えることをすすめています。



それでは、医学博士でもあり、ハーバード大学・准教授でもある著者は、
どれぐらいの運動をすすめているのでしょうか?以下の引用文に、その目安が示されています。

"週に6日、なんらかの有酸素運動を45分から1時間するというのが理想だろう。そのうちの4日は中強度で長めにやり、あとの2日は高強度で短めにする。体を強制的に無酸素代謝の状態にする高強度の運動をする高強度の運動が、思考や気分に影響するかどうかははっきりしないが、高強度の運動をすると、脳を作る重要な成長因子のいくつかが体から分泌されるのは確かだ。(中略)しかし2日つづけて高強度の運動をやってはいけない。体と脳が成長するには、回復のための時間が必要となるからだ"

(P314第10章「鍛錬-脳を作る」より。下線は管理人が引きました)



【関連エントリ】

大人の「運動音痴」がみるみるよくなる本
ヨガ・ストレッチ特集 「体」と「脳」をストレッチしよう!


【参考文献】


下園壮太 人はどうして死にたがるのか 「自殺したい」が「生きよう」に変わる瞬間 文芸社


人はどうして死にたがるのか 「自殺したい」が「生きよう」に変わる瞬間 人はどうして死にたがるのか 「自殺したい」が「生きよう」に変わる瞬間


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