「独占的競争」で優位性を発揮するZARA
本書の感想文を書く前に、「おちゃらけミクロ経済学」の標準テキストにしている、
クルーグマン ミクロ経済学 を読みました。
"長距離電話会社のAT&TとMCIのサービスは何が違うのだろう?エナージャイザーとデュラセルの電池、それにホテルマリオットとラマダの部屋にどんな違いがあるのか(中略)これらの財を生産する企業は、自社製品は他社製品とは異なりより優れていると消費者に確信してもらうため、多大な努力を費やしているのだ。
(P483「第16章 独占的競争と製品差別化」)
独占的競争とは、多数の生産者が競争していて、各生産者は差別化された製品を生産し、
長期的には、自由な参入と退出が生じる市場構造のことを指します。
そこで差別化された製品は、主に3つのタイプに分かれます。
- スタイルやタイプの差別化
- 立地の差別化
- 質の差別化
ZARAを擁する、インディテックスグループは、
ミクロ経済学の独占的競争において、「スタイルやタイプの差別化」に長けた企業のようです。
Zara Tallinn / caninhas
ZARAは「セクシー・カンパニー」をめざす!
本書をめくるといたるところに、次のような「妖しい」言葉が登場します。
- 「セクシーさ」
- 「官能」
- 「誘惑」
- 「エロス」
正直、はじめは戸惑いましたが、ミクロ経済学の「独占的競争」の概念を用いると、
ZARAのマーケティングやブランド戦略の基本的な考え方は、「教科書的に正しい」と
感じました。
著者は、彼らが顧客や従業員に対して、大切に思っていることを表すためには、
次のような配慮が欠かせないと主張しています。(P99)
- ディテールへの気配り
- 美的センス
- 社員への気配り
- オープンなコミュニケーション
- 顧客をどれだけ重要視するか
抽象的に描くと当たり前のようなことかもしれませんが、
具体的な方法については、「セクシー」に語られていますので、
興味のある方は、ぜひご一読ください。
【関連エントリ】
おちゃらけミクロ経済学
【参考文献】
ポール・クルーグマン クルーグマン ミクロ経済学 東洋経済新報社
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