真面目であり、純粋であり、
"この本はどこを開いても迷いだらけです。確信めいた主張はほとんどありません。ただ、その迷いが純粋であれば、迷いを共有すること自体に価値があるのではないか、この迷いに共感してくれる誰かが答えを見つけようとしてくれるのではないか、そんな気持ちが詰まってます。"
(P206「おわりに」から引用)
カバーの裏側にもこの言葉が、抜粋されています。
管理人は、この言葉を最初に読んだため、著者の宇佐美さん個人には、
非常に好意を持ちました。素直に、迷いと悩みを持った人間の性質を、表しているからです。
"補助金に支えられていた日本電機企業ムラ"
(P155小見出し)
かつて、宇佐美さんが、石油に代わる新エネルギー源創出のための、
独立行政法人に出向していたころ、まさに「迷い」と「悩み」の連続だったようです。
官僚OB、経済団体の重鎮などの支援を受けながら、
個々の企業や業界団体などと政策の全体の方向性を調整していたそうです。
その一方で、支援を仰いだ官僚OBや経済団体の政治力が増大したり、
既得権益化しないようにすることについても、心を砕いていたことが、つづられています。
Take in the light NOW! 光線エネルギーを吸収しろ! / likeablerodent
一方、本書を読んでいて、「あれっ?」と思うことも、いくつかあったので述べておきます。
1.法案作成時の、資料のコピーと関係省庁・関係部署・国会議員への配布について
これらは、主に、官僚1年生の仕事だそうですが、今は、Googleドライブで
文書や計算シートをWeb上で共有できます。
わざわざ人手を使って回覧する必要はない、と思いました。
「紙をコピーして回す」という手間が省けるので、それだけ法案の精緻化か、
残業時間の削減にまわせるような気がします。
2.給与明細書について
支給額そのもよりも、控除項目が気になりました。
社会保険料として、健康保険料が控除されていますが、
「共済年金保険料」というような控除項目がないことについて引っ掛かります。
「共済年金保険料」とは、民間企業の給与明細書であれば、
「厚生年金保険料」にあたるものです。
3.マイペースで働くための就農(「高齢産業創出庁」の創出)
前期高齢者(65~75才)の収入を「年金+α」として捉えるならば、
その「α」の部分について、「そこそこ働ける」農業を、高齢者に奨励するというものです。
しかし、TPPで日本は世界一の農業大国になる によると、
穀物や家畜用の飼料などカロリーベースの高い作物は、農水省やJAが、
野菜・果物・花卉など付加価値の高い商品作物は、世界的に活躍する事業者が、
それぞれガッチリ抑えているようです。
後発者が参入できるかどうか、心もとないような気がします。
それよりも、管理人的には、今までの培った人生の経験について披露できるような表現力を
身につけるための、「教育投資」を、行った方が堅い商売になるような気がします。
冒頭に「迷いだらけ」という言葉、冒頭に載っていたので、市井の一民間人ですが、
読後の感想を述べさせていただきました。
参考書籍:
浅川芳裕 TPPで日本は世界一の農業大国になる
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