電子書籍ビジネスの「川中」について
先日、
電子書籍で生き残る技術 紙との差、規格の差を乗り越える
電子書籍のつくり方・売り方
というエントリで、電子書籍関連の本2冊を紹介しました。
前者は、主に電子書籍ビジネスの概要についてです。
後者は、主に電子書籍ビジネスの「川下」についてです。
そして今回のブログで紹介する EPUB 3 電子書籍制作の教科書 は、
主に電子書籍ビジネスの「川中」、つまり「中流域」に関する本です。
電子書籍をつくって売るということを考えれば、大きく3つの作業に分かれると思います。
- 「川上」…企画・執筆など
- 「川中」…編集・対応OS決定(Windows、Mac、iOS)・ファイル変換(EPUB、PDF)
- 「川下」…読み取り機器(リーダー)の頒布、小売販売
このうち、川中の、対応OSの決定より後の作業は、
従来の紙の書籍では、考えられないくらい激変してます。
電子書籍では、出版社・出版卸・小売の部分をすっ飛ばせるからです。
(紙の書籍の流通構造)
作者
↓
出版社
↓
出版卸(書籍取次)
↓
小売(書店)
↓
読者
(電子書籍の流通構造)
作者
↓
読者
紙の書籍がもっていた、[情報要素 + インク・紙などの物理的要素]のうち、
電子書籍は[情報要素]を、Web上でのコピーコストをゼロにさせたため、
流通構造を変えてしまったのでしょう。
(これを経済学的に丸めて言うと、技術革新というのかもしれません)
SAKURAKO read a book on iPhone. / MJ/TR (´・ω・)
技術的なことを申し上げると、
「HTMLが○○○」とか、「CSSが△△△」とか、「JavaScriptが×××」、ということを、
申し上げることになります。
ですが、細かいことから入ると、「群雄割拠」の電子書籍業界の中で、迷子になります。
従って、本書のChapter1とChapter2を読むと、電子書籍の「中流域」について、明るくなります。
なぜなら、本書のタイトルにもなっている「EPUB」というのは、
現在、iPad、iPhone、Googleアンドロイド、ソニーリーダーなど、
「川下(下流)」の機器で電子書籍を閲覧するファイルし形式として、対応しているからです。
ちなみにアマゾンのKindleは、AZW形式という、別のファイル形式に対応しているので、
本書の守備範囲外です。
戦国時代の様相を呈している、「電子書籍ビジネス」で、
誰が天下統一をするのか、分かりません。
本書の出版は、2012年10月1日です。
この記事を書いたのは、2012年の11月24日です。
この時点では、かなり最新に属する情報であると思いますが、
興味のある方は、ご自身で情報の後追いをお願い申し上げます。
【関連エントリ】
電子書籍で生き残る技術 紙との差、規格の差を乗り越える
電子書籍のつくり方・売り方
【参考文献】
川崎 堅二 電子書籍で生き残る技術−紙との差、規格の差を乗り越える− オーム社開発局
加藤雅士 電子書籍の作り方、売り方 iPad/Kindle/PDF対応版 エムディエヌコーポレーション
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